統合失調症について/5.統合失調症の治療-② リハビリテーション【支持的精神療法】

心の病気

●あくまでも患者さんを支えることが目的

精神療法とは、治療者(精神科医など)が、さまざまな方法で患者さんに働きかけを行う治療法のことをいいます。
精神療法には多くの治療法がありますが、統合失調症の場合は、「支持的精神療法(支持療法)」と呼ばれる方法で行います。
支持的精神療法の「支持」には、患者さんを精神的にバックアップするという意味合いがあります。

支持的精神療法は、患者さんが日々の生活の中で感じている不安や、悩み、孤独感、心配ごとなどについていっしょに考え、どうしたらよいか、その解決の糸口を見つけていく、一種の「カウンセリング」です。

この療法は、もっぱら会話(言葉)を介して行うところが、SST(生活技能訓練)などといったほかのリハビリテーションと異なる点です。
医師と患者さんとのコミュニケーションによって成立する治療なので、お互いの相性(あるいは医師への信頼)が非常に重要となります。

支持的精神療法の目的は、患者さんの不安解消や精神の安定をはかることにありますので、患者さんが医師とやりとりをする中で、不安が少しでも解消したり、心が落ち着いてくるようであれば、この療法の効果があらわれてきたと考えてよいでしょう。

大切なことは、支持的精神療法の主役は患者さん自身だということです。
治療者は「患者さんを支える」ことを目的としていますので、治療者は、原則として、患者さんの行動や考えを批判したり、人格や成育環境などに深く立ち入ったりはしません。

また、治療者は、患者さんの訴えに対し、よいとか悪いとか、まちがっているというような「価値判断」は行いません。
さらに、根拠のない励ましも禁物です。
あくまでも患者さんの話すことを支持することによって、患者さんの気持ちを楽にさせ、精神的に「自立」できるようにして、回復させていきます。

●会話の積み重ねが大切な情報となる

支持的精神療法は一種のカウンセリングなので、「いまから治療をはじめます」といった、改まったものではありません。
日ごろの診察で患者さんと会うときにも、医師は支持的精神療法の観点から、さまざまな話をしていきます。
どんな話をするのか、次にいくつか例をあげてみます。

■患者さんの中には、「自分は統合失調症ではない、だから薬も必要ない」と、薬を飲みたがらない人がいます。
そういう患者さんには、自分が病気であることを理解してもらう、つまり「病識」を持ってもらえるような話をします。
眠れなかったり、疲れたり、周囲となじめず孤独に感じているのを、どうしたら治せるかといった角度から話すこともあります。

■幻聴が聞こえたり、被害妄想におちいっている患者さんには、その症状のことよりも、現在どのような環境にあるか、家族との関係などについて聞くことがあります。
そのことで、患者さん自身に、いま自分がどんな状態にあるかを理解してもらえるようにします。

患者さんの悩みや不安、心配ごとは、それぞれの患者さんの病気の段階、病気によるトラブル、あるいは薬の副作用、家庭環境、本人の性格、人間関係など、さまざまな要因がからまり合っています。
医師は、面談している短い時間の中で、患者さんの表情やしぐさ、何げない世間話などから、背景にあるいろいろな要因を見つけ出し、医師の目で分析したり、整理しながら話をしていきます。
また、患者さんの症状の変化や心の動きなどから、できるだけ多くの情報を受け取り、それを治療に役立てていきます。

支持的精神療法は、医師と患者さんとのコミュニケーションの積み重ねがベースとなり、それによって適切なカウンセリングが生まれますので、相性の問題もありますが、自分に合った医師を見つけたら、なるべく継続した治療を受けることが大切です。

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