統合失調症について/5.統合失調症の治療-② リハビリテーション【統合失調症のリハビリテーション】

心の病気

●リハビリは薬物療法と並ぶ治療の大きな柱

統合失調症は、脳の中の神経伝達物質のバランスがくずれることで起こる病気です。
薬は、このアンバランスな状態を改善するように働きますので、神経伝達物質のアンバランスがもたらす妄想や幻覚などの陽性症状は、薬によって比較的短期間で改善します。

しかし、薬で症状が抑えられても、いったん傷ついた脳は、なかなかもとには戻りません。
脳はまだ消耗した状態にあるため、喜怒哀楽が表現できない、考えをうまくまとめられない、周囲への関心がわかない、意欲が低下する、集中力がつづかない、といった「陰性症状」や「認知機能障害」があらわれてきます。

また、対人関係がうまくいかない、社会に出る自信がない、仕事が長つづきしないといった「生活のしづらさ(生活障害)」が残ることも少なくありません。

このように、統合失調症では、症状は薬である程度コントロールできても、社会生活を送る上では、大きなハンディキャップをかかえることになりがちです。

こうした困難やハンディキャップをかかえながらも、困難を乗り越え、よりよい社会生活ができるようになるためには、リハビリテーション(以下、リハビリ)が重要です。

なお、統合失調症のリハビリは「心理社会的療法」ともいいます。

統合失調症のリハビリは、たとえ障害があってもその人らしく生き、生活の質(QOL)を高めることが目的です。
その考え方の中心にあるのが「ノーマライゼーション」です。
ノーマライゼーションとは、障害を持ちながらも、残された能力を発揮して、社会の中で暮らしていくという考え方です。
ですから、病気が回復してからリハビリをはじめるのではなく、症状があってもできる範囲で行っていくというのが、基本的な考え方です。
そのため、統合失調症では、急性期からリハビリをはじめます。

統合失調症の治療において、リハビリは薬物療法と並ぶ車の両輪であり、しかも自分でできる治療法です。

●リハビリをはじめる時期

リハビリは、適切な時期に適切な方法で行うことではじめて効果が上がります。
急性期の場合は、まず症状を落ち着かせることが第一で、症状が安定するまでは十分な休息を取ることが大切です。

症状が落ち着いてきたら、次に生活のリズムをととのえることを目標にします。
昼夜逆転の生活をしていた人が、テレビを見たり、音楽を聴いたり、新聞や雑誌を読んだりできるようになるのも、広い意味のリハビリです。
患者さんに意欲が戻り、それまでできなかったことが一つずつできるようになる体験を積み重ねていくことが大切です。
この時期には、自宅に患者さんがくつろげる「居場所」があるということが非常に重要です。

症状がある程度落ち着いてきたら、それまで社会から離れていたことで失われてしまった能力や機能(技能)を取り戻すためのリハビリを少しずつはじめていきます。

●自分に合ったものを選び、無理せずに取り組む

統合失調症のリハビリには、患者さんを精神的にバックアップする「精神療法(認知行動療法も含む)」や、対人関係の練習や生活で必要な能力を身につけるSST(生活技能訓練)、遊びや作業を通じて集中力や持続力、作業能力の回復をめざす「作業療法」など、さまざまな方法があります(それぞれのリハビリの詳しい解説は後述)。

また、病院やクリニックに併設された「デイケア」という場で、同じ病気を持つ仲間と過ごしたり、スポーツやレクリエーション、趣味などのグループ活動に参加したりすることも、回復に役立ちます。

統合失調症のリハビリは、対人関係の回復、生活技能の改善、職業リハビリなどのいずれかに力点が置かれることがあり、目的によって方法や内容が異なります。

さまざまなリハビリがありますので、その中から自分に合ったものを選び、あせらずにゆっくり取り組むことが大切です。
くれぐれも無理をしたり、いきなり高い目標を設定したりしないことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
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