統合失調症について/2.統合失調症とはどのような病気か【統合失調症の経過と予後】

心の病気

●前兆期(前駆期)と急性期

統合失調症の経過(病期)は、個人差がありますが、大きくは「急性期」と「慢性期」に分けられます。
急性期は、発症してから1ヵ月~数ヵ月ぐらいの期間で、症状としては陽性症状が優勢な時期です。
妄想や幻覚などが活発にあらわれるのも、この時期です。
目立つ症状があらわれるため、多くはここで治療がはじまります。

なお、急性期の症状があらわれる前に、病気のサイン(前兆)のような症状が見られることが知られています。
不眠、漠然とした不安感や違和感、心身の不調、ひきこもりなどですが、この時期を「前兆期」、あるいは「前駆期」といいます。

●症状の一進一退がつづく慢性期

慢性期は、急性期が過ぎ、症状がよくなったり悪くなったり、一進一退をくり返す時期です。
まず、急性期のあとには、感情の起伏が乏しくなり、無気力で何もする意欲がなくなるなどの陰性症状が中心の「休息期(消耗期)」が来ます。
いわば「病み上がり」の状態です。
この時期は不安定な精神状態にあり、ちょっとした刺激が誘因となって、急性期に逆戻りしやすい時期でもあります。

なお、急性期に激しい陽性症状が見られないケースでは(最近はそのケースが少なくない)、急性期と休息期(消耗期)の境界がはっきりしないことが少なくありません。

●回復期に入っても認知機能障害は残る

急性期や休息期が過ぎると、症状も徐々におさまり、「回復期(安定期)」に入ります。
少しずつ安定感を取り戻していく時期です。
一般的には、回復期は数ヵ月~数年単位で経過します。

ただし、休息期や回復期に病気を誘発するようなストレスがかかると、再び急性期の症状へと戻り(再発)、また休息期、回復期という経過をたどります。
再発がくり返されると、休息・回復に要する期間が長くなり、病気が慢性化するリスクが高まります
この時期は、薬物療法の継続が重要です。

また、統合失調症の場合に問題となるのが、妄想や幻覚などの陽性症状がおさまったあとも、陰性症状や認知機能障害があとあとまで残ることです。
そのため、社会復帰を視野に入れた治療やリハビリが必要となります。

●統合失調症の「予後」は決して悪くない

統合失調症の予後を長期的に調べた研究によると、発病後早い時期から適切な治療を受ければ、約6割の人は、60~70代には全快か、全快に近い状態にまで回復することが明らかとなっています。

また、統合失調症を発病したあと20~30年の長期にわたる経過を調べた米国の研究では、回復または社会的治癒に至る群は20~30%、軽症群および中等症群がそれぞれ25~30%、重症群が15~25%という結果が出ました。
ここでいう軽症群とは、症状があっても日常生活に支障はない程度をいいます。
したがって、回復または社会的治癒群と合わせると、統合失調症の人の約半数が、社会的生活を問題なく送れていると考えられます。

奈良 心理カウンセリングルーム
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