統合失調症について/4.統合失調症の治療-① 薬物療法【統合失調症の治療の基本的な考え方】

心の病気

●薬物療法とリハビリを組み合わせることが重要

統合失調症の治療は、外来・入院いずれの場合でも、薬を使った治療が基本となります。

ただし、残念ながら、薬物療法だけでは、病気によって障害された認知機能や社会生活機能まで回復させることはできません。

症状をやわらげる薬物療法に加え、生活のしづらさを改善し、社会への適応能力を高めるためのリハビリテーション(心理社会的療法)やSST(生活技能訓練)などを組み合わせながら行うのが、統合失調症の治療では非常に重要です。

こうした組み合わせによる1年後の再発率を調べた国際的な研究によると、「薬物療法のみを行ったグループ」の再発率が30%であったのに対し、「薬物療法とリハビリテーションを併用したグループ」、および「薬物療法とSSTを併用したグループ」の再発率は、ともに8%といちじるしく低くなっています。

この調査結果を見ても、薬物療法だけでなく、薬物療法とリハビリテーションやSSTなどを組み合わせて治療を行うことで、はじめて高い効果が得られることがわかります。

●治療には多くの専門スタッフの支援が不可欠

このように、統合失調症の治療は総合的に行う必要があるために、よりよい治療効果を得るには、医師をはじめ、さまざまな専門家が協力し、互いに緊密な連携を取りながら行っていくことが大切です。

医療機関では、医師のほかに、看護師、精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー<PSW>)、作業療法士(OT)、臨床心理士、薬剤師といった専門職が治療にかかわります。

そのほか、地域には、さまざまな分野のスタッフがおり、患者さんや家族の悩みを聞いたり、相談に乗ったり、困ったときは助けてくれます。

もちろん、すべての人が一度にかかわるということはありませんが、統合失調症の治療では、こうした多くの人の支援を受けながら行っていきますので、いつ、だれの支援を受ければいいのかということを適切に判断することが必要となります。

その意味で、2006年から「障害者自立支援法」が施行され(2013年に「障害者総合支援法」に改正)、市区町村ごとに相談に乗る事業者を指定することが義務づけられましたので、この制度を有効に活用することをおすすめします。

●自分で病気に立ち向かう力をつける

多くの人の支援を受けながら治療を行っていくといっても、治療の中心にいるのは、あくまでも患者さん本人です。
本人に病気に立ち向かう気持ちがなければ、どんなに支援があっても治療はうまくいきません。

また、統合失調症の治療は、最終的には、病気や生活の管理を患者さん自身が自力で行えるようになることが目標です。
治療は、できることをふやしていく過程でもあります。

家族などまわりの人は、患者さんを保護することと、自立心を育てることのバランスを考えながら治療の援助をする必要があります。
ともすると家族は、過保護になって世話を焼きすぎる傾向にありますが、本人ができることにまで手を貸していると、世話をしてもらうことがあたりまえになり、自立をさまたげます。

統合失調症は、社会技能や生活技能が低下する病気です。
自分の身のまわりのことをととのえたり、家のことを手伝ったり、家族と会話をしたりすること、つまり毎日のさまざまな営みが、リハビリとなり、治療につながります。
病気が治ってから自立的生活を考えるのではなく、病気の回復過程から自立を目指すという考え方が大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
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