統合失調症について/7.再発予防と自宅療養のポイント 【困ったときにどう対応するか】

心の病気

●対応をまちがうと病気を悪化させる

統合失調症の患者さんといっしょに暮らす家族は、当然患者さんと接する時間が長くなり、日常生活のさまざまな場面で、どう対応したらよいか迷うことが出てきます。

対応の仕方によっては、関係がぎくしゃくしたり、病気を悪化させてしまうこともあるので、注意が必要です。
家族を悩ませることが多い患者さんの「困った行動」とその対処法を次に述べてみます。

■ぼんやりして、元気がない…「ぼんやりして、元気がない」のは病気のせいです。しかったり、「元気を出して」などと励ますのは、患者さんを追い詰めることになり逆効果です。いまは消耗した体力を回復させ、エネルギーをたくわえる時期と考え、あせらず気長に見守るという姿勢が大切です。

■処方通りに薬を飲まない…服薬の中断は再発につながり、非常に危険です。処方通りに飲まないのは、患者さんに病気だという自覚がないか、副作用がつらくて飲めないという場合が考えられます。後者の場合は、薬を変更するなどの工夫ができますので、いずれにしても主治医に相談しましょう。

■生活のリズムが乱れている…生活リズムの乱れは、病気のせいだけでなく、病気の結果将来に希望が持てず、自暴自棄になっているためとも考えられます。主治医に現状を伝え、本人もまじえていっしょに対処法を考えていきましょう。

■暴力をふるう…程度の軽い暴力や暴言は、家族など身近な人に向けられることが多いのですが、その背景には、家族に自分の思いが伝わらないことへの不満やあせりがあります。家族は、患者さんの言葉に耳を傾け、落ち着いて共感を示しましょう。また、患者さんと「ほどよい」距離を保つことも大切です。統合失調症の患者さんは、自分を抑えることが苦手です。乱暴なふるまいをしたり暴言を吐いたら、「それはいけない」とはっきり注意しましょう。
相手に危害を加えるような深刻な暴力は、多くは服薬の中断などで症状が悪化した場合に起こります。ただし、急にそうなるというより、しだいにエスカレートして暴力をふるうことが多いので、早い段階で患者さんを落ち着かせることが必要です。もし、家族が身の危険を感じるような場合は、すみやかに警察や医療機関へ救援要請をしましょう。

■自殺をはかる…急性期に、幻聴や妄想が原因で自殺をはかったような場合は、薬で症状を抑えることが大切です。薬はこのような陽性症状にはよく効きます。
統合失調症では、急性期の激しい陽性症状がおさまったあと、精神的エネルギーが枯渇したかのように無気力になることがあります。これを「精神病後うつ状態」といいますが、このときに「死にたい」という思い(希死念慮)が生じることがあるので、注意しなければなりません。少しでもおかしな様子が見られたら、主治医に相談することが必要です。

■リハビリについていけない…患者さんがリハビリについていけないと感じるのは、薬の副作用がつらくてという場合もありますので、患者さんの話をよく聞いて、薬のせいであれば主治医に相談しましょう。

■変な声が聞こえる…幻聴は、家族には「ありえないこと」でも、患者さんは現実のこととして確信しています。理屈で説得しても効果はありません。否定したりすると、「敵の味方をしている」と家族に不信感を持つようになるおそれもあります。患者さんが幻聴などを訴えてきたら、「そうなんだ。そういう声が聞こえてくるんだね」と共感を示し、「反応するとかえって損だから、冷静になろう」と落ち着かせます。そして、幻聴や妄想には薬がよく効きますので、「先生に相談しよう」と提案しましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
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