統合失調症について/3.治療をはじめる前に知っておきたいこと【診察と診断-②】

心の病気

●統合失調症の診断基準

統合失調症は、体の病気のように、検査の結果ですぐにわかる病気ではありません。
そこで、臨床の場で使われているのが、心の病気の診断基準です。

近年、欧米で提唱され、世界標準の診断基準となっているのが、WHO(世界保健機関)発行の「ICD-10(国際疾病分類・第10改訂版)」と、アメリカ精神医学会発行の「DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引・改訂第5版)」の2つです。

中でも、「DSM-5」は世界の多くの国で用いられており、日本でも主流となっています。
「DSM-5」の診断基準では、①妄想②幻覚③解体した会話④ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動⑤陰性症状の5つのうち2つ以上(うち少なくとも1つは①②③)が1カ月間持続している場合に統合失調症が疑われるとしています。

ただ、実際には、現場の医師は、こうした国際基準の通りに診断しているわけではありません。
前述したように、統合失調症以外の病気でも、幻覚や妄想のような統合失調症とよく似た症状を示すこともあり、また、症状には個人差もあるため、医師は、これらの診断基準はあくまでも参考程度にとどめ、みずからの経験と知識をもとに診断と治療を行っていきます。

●診察後の医師からの説明

診察のあと、医師から患者さんや家族に説明されることは次のようなことです。

■病状と診断名
■休息(休養)の必要性
■今後の治療方針
■薬の効果と副作用
■今後の見通し(予想される経過)
■日常生活で気をつける点

ただし、これらの説明を初診のときに一度に行うことはむずかしいので、必要な説明をまず行い、病状が落ち着くのを見ながら、少しずつ説明を加えていくというのが一般的です。

●病名の告知には十分な配慮が必要

残念ながら、一般にまだ「統合失調症」という病気に対する誤解や偏見があることは確かです。
しかし、患者さんやその家族に正しく病気のことを知ってもらうためにも、また適切な治療を行っていくためにも、病名の告知は避けて通れません。

ただし、病名の告知にあたっては、時期を選び、患者さんの気持ちに十分に配慮をした上で行う必要があります。
また、家族の意見を聞くことも大切です。

初診ですぐに病名の告知を行い、薬物治療を開始するようなことは、まずありません。
ふつうは、経過観察を経て、数ヵ月かけてじっくり病名を特定するための情報を集めていきます。

次に、告知に際して留意すべき点をあげてみます。

■主治医が責任を持って計画的に話す
病名の告知は「諸刃の剣」です。
中途半端な伝わり方をすれば、患者さんにつらい思いをさせ、信頼関係をそこねることにもなりかねません。
告知は、主治医が、患者さんの不安をかき立てないように、責任を持って、計画的に行うべきです。

■患者さんに病気のイメージを正しく伝える
統合失調症は決して絶望的な病気ではないこと、きちんと治療をすれば必ずよくなること、ただし再発が多い病気であることなどを患者さんに正しく認識してもらうことは、治療をつづけていく上できわめて大切です。

■混乱時の告知は避ける
妄想や幻覚(幻聴)が強く、患者さんが混乱している時期に病気の説明をしても、かえって反発されたり、絶望して治療を拒否したりするおそれがあります。

その場合は、本人には症状がある程度おさまったところに医師から話しますが、家族には病名を伝えて理解を求めることが一般的です。

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