統合失調症について/1.統合失調症の症状について知る【なぜ「幻聴」が多いのか】

心の病気

●幻聴は「自我障害」が原因で起こる

統合失調症では、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感に「幻覚」があらわれます。
幻視、幻触、幻味、幻嗅なども起こりますが、圧倒的に多いのが「幻聴」です。
統合失調症で起こる幻覚の中で、なぜ幻聴が特に多いのかについては、さまざまな説がありますが、まだはっきりしたことはわかっていません。

理由の一つとして考えられるのは、統合失調症に特徴的な症状である「自我障害」との関係です。
自分と他人の境界を「自我境界」と呼びますが、健康な人はその自我の境界がはっきりしています。
ところが、統合失調症の人は、その境界があやふやであったり、もろかったりします。
そのために、他人の考えが自分の中に入ってくる「思考吹入」や、逆に自分の考えていることが他人に筒抜けになっていると感じる「思考伝播」といったことが起こります。

つまり、統合失調症では、自分と他人の境界があいまいになるために、自分が主体的に行っていることと、受動的にさせられていることとの区別がつかなくなるのです。

統合失調症の症状の一つに「作為体験(させられ体験)」というものがあります。
これは、自分の行動や考えなどが、自分の意思ではなく、自分ではない何者かによって支配されている(あやつられている)と感じることですが、これなども自我の境界のくずれをあらわす症状といえるでしょう。
「作為体験」は、本当は自分が行いたいと思っていることを、あたかも他人の指示や命令で行っているかのように感じて行うことです。

聞こえるはずのない他人の声が聞こえる「幻聴」も、この「作為体験」と同様のメカニズムで起こると考えられます。
つまり、他人の声として聞こえてくる内容は、本当は自分が考えていることなのですが、それが他人の声として聞こえてくるわけです。
実際に、幻聴として聞こえてくる内容は、患者さんが知っていることや思っていることばかりです。
幻聴で自分の悪口が聞こえてくるというのも、内心で「悪口をいわれたらイヤだな」と思っていることが、自我の境界がくずれているために、それが他人の声として聞こえてくるのだと考えることもできます。

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