うつ病はどんな病気?
増加の一途をたどっているうつ病ですが、具体的にはどのような症状なのでしょうか。
うつ病というと、「憂うつな気分が続く病気」というイメージを持っている人が多いと思われます。おおむね間違いではありませんが、症状は精神面だけでなく、身体面にも現れます。
まず、精神面の症状を見てみると、前述の「憂うつな気分が続く」「イライラする」のほか、「普通は楽しいと感じる活動に喜びや興味を失う」「考えが浮かばない」「頭の回転が鈍くなる」「集中できない」「決断できない」「能率が低下する」などがあります。これは「抑制症状」と呼ばれる症状です。
さらに進むと、悲観的になって、自分には生きている価値がないと考えるようになり、「この世から消えたい」「自殺したい」と思うようになります。
身体面の症状としては、以下のものが典型的です。
- 睡眠……寝つきが悪い。眠りが浅い。途中、何度か目覚めてしまう。早朝に目が覚める。
- 食欲……食欲がない。好物を食べてもおいしく感じられない。
- 疲労感……疲れやすい。身体が重い。すぐに横になる。
- 日内変動……症状は午前中が最悪で、午後には次第に軽くなるなど一日のうちでも変化がある。
- その他……頭が重い、痛い。息苦しい。動悸。めまい。口が渇く。吐き気がする。便秘。便秘と下痢を繰り返す。性欲がない。体重が減る。
うつ病の患者は多くの場合、身体の不調のために元気が出ないのだと考えて、内科や整形外科、脳外科などを受診します。そのとき、患者が精神的苦痛を訴えないと、更年期障害や自律神経失調症と診断されることも少なくありません。
中には、原因不明の病気とされ、いくつもの病院を回ったり、必要のない精密検査を繰り返したりすることもあります。
うつ病にかかりやすい人は、気分がすぐれなくても相手への配慮からにこやかな対応を心がける傾向にあるため、医師が内面の深刻な苦悩に気づかず、正しい診断が下されないケースもあります。
日本における年間自殺者は2012年以降、3万人を下回るようになりましたが、その中にはうつ病を患っていた人も多数含まれていると考えられています。うつ病を放置すると死に至る危険もあることから、早期発見、早期治療が望まれます。
そのためにも、医療機関で正しく症状を伝えられるように注意が求められます。
うつ病の治療方法について
なるべく早い段階で心身を休めることが、すみやかな回復へとつながります。
会社員であれば、医師に診断書を書いてもらい、会社を休むなど。主婦であれば家事を家族と分担したり、多少の手抜きをするなどして、療養をとります。
その上で、薬物治療と精神療法が併用されます。
投薬による治療
うつ病の治療は、薬物による治療と、十分な休養の二つが大きな柱となります。
そして、状況に応じて精神療法が行われます。中でも、中心となるのが、抗うつ薬による薬物療法です。
精神疾患の薬と聞くと、「体に悪いのではないか」「脳に悪影響をおよぼすのではないか」と心配したり、「一生飲み続けなくてはいけないのか」と悲観的になる人もいますが、最近は、副作用の少ない良い薬がいろいろ開発されていますので、医師の処方通りに飲んでいれば心配はいりません。
薬物療法は大きな効果が期待でき、病気が治れば薬を飲む必要はありませんが、症状が良くなっても、再発を防ぐために、一定期間は服用を続ける必要があります。
心理カウンセリングによる治療
うつ病の治療では、薬によって脳の神経の働きを調整する薬物療法が中心となりますが、それとともに重要なのが、精神療法です。
精神療法とは、ひと言でいえば、医師や心理カウンセラーなどの治療者が、言葉や人間関係を通じて患者さんの心に働きかけ、心の不調を改善していこうという治療法です。
精神療法は、多くの心の病気に対して行われますが、病気に応じてさまざまな方法がとられます。患者さんによっては、薬よりも精神療法のほうが高い治療効果を上げるケースもあります。
一般には、症状が強く出ている急性期は薬物療法で治療を行い、ある程度症状が落ち着いてきたころ(慢性期)から、精神療法を併用していきます。
薬物療法と精神療法は、脳への働き方が違います。患者さんの症状や状態に合わせて、薬物療法と精神療法の良いところを活用するようにすれば、治療効果が高まります。
ナチュラリー.は心理カウンセリングでうつ病の治療を行っています
「奈良の心理カウンセリングルーム ナチュラリー.」では、うつ病をはじめ、さまざまな心の病気から早期回復するための心理カウンセリングを行っております。
30年のサラリーマン経験があります
当ルーム代表のカウンセラー・鍛治は、過去にサラリーマンとして大手企業で30年間にわたり勤務してきた経歴がございます。その間、多くの方と出会い、実社会のさまざまな浮き沈みを経験してきました。
うつ病をわずらう方の中には、企業内での長時間労働や競争、パワハラなどによって精神的に苦しみ疲れたビジネスマンも少なくありません。そうした方々のお気持ちは、どのカウンセラーよりも理解していると自負しております。
豊富な社会経験と知識を生かして、皆さまのうつ病の解決を後押しさせていただきます。
複数の相談方法から選べます
ナチュラリー.では、患者さんが望まれるペース・環境で相談を受けられるよう、さまざまな相談方法をご用意しています。
当ルームにご来訪いただいての面談はもちろん、ご自宅その他への訪問によるカウンセリング、ビデオチャットやEメールを活用してのネットカウンセリングがご利用いただけます。ご自身に合った方法をお選びくださいませ。
公的資格を多数取得しています
うつ病を治療するためには、心理学の科学的根拠に基づいた体系的なカウンセリングが必要です。うつ病は決して、場当たり的なアドバイスで解決できるものではありません。
この心理カウンセリングの専門知識を習得した証として、当ルーム代表のカウンセラー・鍛治は、日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会の「メンタルケア心理士」や文部科学省後援「こころ検定 2級」の資格を取得。知識・技能のさらなる研鑽に励んでいます。
臨床心理学の専門家として、学術的研究に裏付けられた親身なカウンセリングで皆様のうつ病の解決に取り組んでまいります。
うつ病を心理カウンセリングで治療する流れ
初めて受診する際には、まず、具体的な症状や思い当たる原因、既往歴、家族関係などをお聞きする「問診」を行います。
うつ病などの心の病気は、体の病気と違って、検査による数値などで異常を知ることができませんので、患者さんにいろいろ質問しながら状態を把握していきます。
問診を受けるにあたっては、少しでも気になっている症状や、いままでと違う点(たとえば疲れやすくなったとか)があれば、どんなことでもお伝えください。
また、親しい人の死や、転居や昇進、転職、仕事上の出来事などの「変化」があった場合は、一見病気とは関係がないと思われるようなことでもお伝え願います。
うつ病は、ストレスをためやすい性格や社会的要因などが複雑にからみ合って発症します。そうした性格や社会的要因は、薬では治すことができません。
精神療法は、患者さんと治療者がいっしょになって、うつ病になった原因や背景を探り、それをともに解決していこうとするものです。
精神療法の主役はあくまでも患者さん自身であり、治療者は「患者さんを支える」ことを原則としていますので、治療者は患者さんの考えを批判したり、人格や成育環境などに深く立ち入ったりはしません。
精神療法には、認知行動療法、支持的精神療法、対人関係療法などさまざまな方法がありますが、適切なタイミングでご本人に合ったものを受けることで高い効果を得ることができます。
まずは、問診でお聞きした内容などをもとに、最も効果的と考えられる精神療法をご提案させていただきます。そして、その療法がご本人に合うかどうかをいっしょによく相談し、同意が得られた上で、次回よりカウンセリング、治療を開始していきます。
決定した治療方針に沿って、精神療法を開始します。
うつ病の場合、治療によって、病気になる前の正常状態に戻ることを「寛解」といいます。そして、寛解状態が16~20週以上続いた状態を「回復」といいます。
うつ病の場合は、一度に良くなることはなく、一進一退を繰り返しながら回復していきますが、回復までの間にうつ状態が悪化することを「再燃」、いったん回復したあとで再び症状が出てくることを「再発」といいます。
うつ病は適切な治療を受ければ治る病気ですが、残念ながら再発しやすい病気でもあるということは知っておく必要があります。
統計によれば、初めてうつ病になった人のうち50~60%は再発をするといわれています。
この数字をどう考えるかですが、うつ病が再発しやすい病気であることは間違いないにしても、初めてうつ病になった人の約半分は、生涯、再発することなく過ごすことができるのです。そういう意味では、あまり深刻に再発の心配をしすぎないで、自分に合った精神療法を気長に続けることがきわめて大切です。
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