日中に思わずうとうとしたり、居眠りしてしまう「過眠症」

心の病気

【どんな病気?】
10代の発症が多い

ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症のいずれの場合も10代で発症することが多く、そのため、学業に支障をきたすことになります。
周囲の理解を得られず、進級できずに留年となったりすることもあります。

【精神症状・身体症状】
過眠症の症状は、そのタイプによって分かれる。

<ナルコレプシー>
日中に耐えがたい眠気を感じたり、居眠りを1日に何度も繰り返す。このため、集中力や持続力が損なわれる。居眠りは10~30分程度と短い。目覚めたあとは一時的にスッキリする。喜怒哀楽の感情が強く現れたとき、突発的に力が入らなくなる(脱力発作)が、すぐに回復する。入眠時に金縛りにあったり、現実と区別がつかないような生々しい夢を見る。

<特発性過眠症>
夜に十分な睡眠を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ、居眠りをしてしまう。このため、日中の集中力や作業効率が損なわれる。居眠りは1時間以上続き、目覚め後はスッキリとせず、眠気が持続する。眠気以外に頭痛、胃痛、動悸、めまいなどの自律神経症状がある。

<反復性過眠症>
睡眠時間が異常に多くなる傾眠期が不定期に現れる。傾眠期は18時間以上、あるいは1日中眠り続けることがある。無理やり起こしても、すぐにまた眠ってしまう。10代で発症するため、学業に支障をきたす。

強い眠気を呈する時期(傾眠期)が3日~3週間続き、自然に回復して症状がなくなるが、不定期に傾眠期が繰り返し現れる。

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
特にわかっていない。

<心理・社会的な要因>
心因性の要因が強いと考えられているが、はっきりわかってはいない。非器質性の過眠症では、うつ病が原因となっていることもある。うつ病では不眠を訴えることが多いが、過眠が現れることもある。

<脳・神経機能の関与>
特発性過眠症、反復性過眠症の場合は、脳の覚醒中枢や睡眠中枢のバランスが崩れているのではないかと考えられているが、解明されていない。

【治療法】
原因の特定をし、それに沿った治療を行う。

<薬物療法>
ナルコレプシーには特定の治療薬がある。夜間の睡眠の質を高めるために睡眠導入薬を、日中の眠気を回避するために精神刺激薬を使用することもある。その他、抗うつ薬など。

<精神療法>
生活習慣の改善など。

【経過】
症状により経過は異なる。生活改善で早期に改善する人もいれば、長年治療が続くこともある。
うつ病による過眠の場合は、うつ病の治療で改善することが多い。

【受診の目安】
生活に支障がでているなら受診を

異常な眠気のせいで仕事や勉強などに支障が出ているようであれば、すみやかに受診し原因を特定しましょう。
本人も周囲もおかしいと感じたら、早めに専門家を受診したほうがよいでしょう。

【本人や周囲が気をつけること】
病気について共に学ぶ気持ちで

この病気はあまり知られていないため、家族や周囲から「怠け者」「やる気がない」などと誤解されてしまうこともしばしばです。
一緒に暮らしている家族ならなおさら「いつまで寝てるの!」などと叱責してしまうかもしれません。
しかし、本人は「寝たくて寝ているのではない」のです。
周囲がこの病気のことをよく理解し、生活習慣の改善に協力することが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史