自分が自分ではない、現実のものではないという感覚「離人・現実感喪失症候群」とは

心の病気

【どんな病気?】
自分の感情や身体、周囲に対して現実感がなくなる

一時的な離人感(自分の意思と身体が分離されて、動かされているような感覚)や現実感喪失は誰にでも起こり得るもので、徹夜明けなどは多くの人が体験しています。
離人感や現実感喪失が長期間、繰り返し続く場合にのみ、離人・現実感喪失症候群とみなされます。
離人感、現実感喪失の症状は解離性障害でも見られます。

こうした奇妙な感覚が自分にだけ起こっていて、外の世界には何ら異常が起こっていないと本人にはわかっていることがこの病気の特徴です。
視覚や聴覚なども正常です。

【精神症状】
<離人感>
●自分が自分ではない感覚 ●自分自身を遠くから眺めている感覚 ●自分が死んでしまったような感覚

<現実感喪失>
周囲の景色に立体感がなく、平板に見える ●人々や動植物を見ても生き生きとした感じがしない ●風景と自分の間が何かで遮られているような感覚 ●夢のなかにいるような感覚

<その他>
●自分が狂ってしまうのではないかという恐怖感 ●時間の流れが異常に速かったり遅かったり感じる

【身体症状】
〇頭に何か詰まっている、虫が皮膚を這っている、などの感覚を覚える

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
明らかにされてはいないが、遺伝的な気質も関係しているのではといわれている。

<心理・社会的要因>
疲労やストレス、トラウマとなる衝撃的な出来事が影響しているといわれる。
うつ病、統合失調症などの心の病気や薬物乱用が原因となることもある。

<脳・神経機能の関与>
脳神経疾患、てんかんなどが原因となることもある。

【治療法】
治療しなくても自然に治癒することもあるので、症状が長引いているときや繰り返し起こるときに行われる。

<薬物療法>
決まった薬物療法はないが、症状を軽減するための薬や、合併する精神疾患がある場合は抗不安薬や抗うつ薬が処方される。

<精神療法>
他の精神障害が原因となっているときは、その治療を行う。
心理的なわだかまりなどを解きほぐしていくためのカウンセリングも必要。
ストレスやトラウマなどについての洞察も深めていく。
また、課題に没頭させ、離人感・現実感喪失から気をそらすようにする認知行動療法などが考えられる。

【受診の目安】
生活に支障があれば受診を

本人は、繰り返し生じる離人感や現実感喪失に、正気を失いかけているのではないかと不安になりますが、錯乱が生じたり、人格が崩壊するようなことはありません。
たとえ症状が何年も続く場合でも、支障なく社会生活を送ることができます。
また、症状が一過性であれば心配ありませんが、本人が苦痛を感じていたり、生活に支障が出たりするようであれば、治療が必要となります。

【本人や周囲が気をつけること】
心配しすぎないこと

この病気は、重い精神障害につながることはないので、心配しすぎないことです。
医師や周囲の人のサポートを受けて、快適に過ごせる方法を見出しましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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