自分に対する思い込みにとらわれる「心気障害(身体醜形障害を含む)」とは

心の病気

【どんな病気?】
病気ではないかという思い込みや、自分の容姿へのとらわれ

心気障害では、胃が重いと「がんではないか」、動悸がすると「狭心症ではないか」などと、正常な範囲の身体的徴候(痛み・発汗・疲労感など)を、重篤な病気の症状だと思い込みます。
そのときどきで苦にする程度は異なり、一定していません。
検査や診察を行っても身体疾患は見つからず、それを医師が伝えても信じようとしません。

ICD-10(国際疾病分類)では、この心気障害のなかに身体醜形障害も分類しています。
「鼻が大きい」「足が短い」など、自分の外見(鼻、皮膚、骨格など)が醜いと思い込み、その結果、社会生活に支障が生じる病気です。
「思い込みによるとらわれ」というところに、この2つの疾患の共通点が見られます。

【症状】
『精神症状』
●重い病気にかかっていると思い込む ●身体の不調や外見の異常を何度も訴える

『身体醜形障害の精神症状』
●自分の身体のささいな欠点にとらわれ、それによる苦痛が大きい ●人に会うのを避けるようになるなど、日常生活に支障が生じる

※身体症状は、特になし

【病因】
『心理・社会的な要因』
怒りなどの感情の身体症状への置き換え、困難からの逃避など。
家族や知人が病気になったことをきっかけに発症することもある。
うつ病や全般性不安障害などから心気障害が生じることもある。
身体醜形障害では、自分の容姿を否定されるような体験の積み重ねによって不安が高まり、発症することも。
極端に低い自己評価や、完璧主義的な性格・気質などさまざまな要素が複雑に絡み合っている。

【治療法】
『薬物療法』
うつ病や不安障害などを併発している場合は、抗うつ薬や抗不安薬を使用することがある。

『精神療法』
患者の不安を少なくするために支持的精神療法、認知行動療法や催眠療法などが行われる。
集団精神療法が行われることもある。

【経過】
適切な治療により、多くは回復する。
よくなったり悪くなったりを繰り返しながら、慢性的に症状が続くが、軽症であれば抗不安薬などでよくなるケースも多い。

【受診の目安】
ドクター・ショッピングになりがち

心気障害の場合、本人がまず訪れるのは内科や外科などです。
このとき、症状の原因がわからないと、医療機関を次々に渡り歩く「ドクター・ショッピング」に陥る可能性があります。

医師が精神医療に理解が深ければ、心療内科を勧められて受診につながることがあります。

身体醜形障害では、周囲は本人の気持ちを理解したうえで、「その醜いという評価は間違いなんだよ」ということをわかってもらうようにします。
そして、専門医の受診を勧めてみましょう。

症状が継続したままにしておくと、社会生活を送ることが困難になり、ひきこもってしまうことになります。

【本人や周囲が気をつけること】
「気のせいだ」と頭ごなしに言わない

本人は、何らかの心の葛藤を抱えていることが少なくありません。
そのため、家族は「気のせいだ」と頭ごなしに決めつけないようにします。
そのうえで、前述した症状に当てはまるところがあれば、心療内科や精神科がある総合病院に行くことを勧めるのがよいでしょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

コメント