コミュニケーションが困難、幻覚や妄想が大きな特徴である「統合失調症」について-①

心の病気

【どんな病気?】
100人に1人の珍しくない病気、徐々に回復していく

統合失調症とは、思考や感情、感覚など、基本的な機能に障害が生じ、感情や思考をまとめることができなくなり、周囲の人たちとコミュニケーションがとりにくくなる病気です。
遺伝的・体質的要因などが関係しているといわれる心の病気は、この統合失調症と気分障害の2つが代表的なもので、精神科医療の現場ではよく見られる病気のひとつです。

100人に1人の割合で見られる病気で、決して珍しい病気ではなく、最近は、統合失調症という病気が世間一般に広く知られるようになり、治療を受ける人も増えています。
また、治療薬の研究も進んでいます。

統合失調症の症状は多岐にわたり、簡単に説明するのは難しいのですが、大きくは「陽性症状」と「陰性症状」に分けることができます。
一般的に、発症初期の急性期には幻覚(幻聴が最も多い)や妄想(被害関係妄想が代表的)などの陽性症状が、続く休息期には陰性症状や抑うつ感、認知機能の障害などが生じ、数年~数十年かけて徐々に回復していくとされています。

しかし、必ずしもすべてのケースで同じ経過をたどるわけではなく、患者によって千差万別です。
陽性症状の前に陰性症状や認知機能の障害が起きていることもあります。
また、不安や強迫症状から始まる人もいます。

【陽性症状】
(安心感や安全感が損なわれる)
●頭のなかで考えていることが他人に伝わってしまう、奪われてしまう、あるいは他人から吹き込まれたものだと感じてしまう。
●自分の思考が声になって聞こえる。自分の行動に注釈を加える声や、自分の悪口を言い合う声が聞こえる。
●自分を超越的な存在(王様の隠し子である、地球を回転させているなど)と思い込む。
●「あの人が赤いネクタイをしているのは、自分を強迫するためだ」というように、周囲からは理解できない意味づけを行う。
●考えの流れが途切れたり、それたりするために、意味がつながらない話し方をする。まれに重度になると、自分で新しい言葉をつくりながら話す。
●興奮して、衝動的な行為をする。拒絶的になる。黙り込む。昏迷状態(意識はしっかりしているが、外部からの刺激に反応できない)に陥るなど。

このように、幻覚や妄想などの症状が現れるため、患者はあたかも自分だけの世界に入り込んでいるかのように映りますが、完全に理性が失われるようなことはなく、通常の社会生活を送ることができる部分もあります。

【陰性症状】
(自信が失われる)
●人とのかかわりを避けるようになり、自室にひきこもるようになる。喜怒哀楽の感情表現が乏しくなる。
●物事への関心や目的意識がなくなり、何もせずに過ごしたり、自分のことだけに没頭した態度をとったりする。

【認知機能障害】
(社会生活に支障をきたす)
前述した陽性症状と陰性症状の2つに加えて、認知機能障害が現れることがあるのが統合失調症の特徴といえます。
記憶力や注意力、集中力、実行力、問題解決力などが損なわれることで、作業能力が低下したり、臨機応変な対処が難しくなったり、新しい環境に慣れにくくなるなどの問題が生じることがあります。
そうなると、社会生活に多くの困難を伴うようになるため、長期のリハビリが必要となります。

⇒ ②へつづく

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史