認知行動療法とは-④ ~考え方と治療の流れ~【行動を変えて、新たな認知の効果に気づく】

メンタルケア

こころの病気の概念は、この数十年で大きく変化しています。

たとえば、こころの病気としてもっともよく知られている、うつ病。
以前は、「何をしていてもつらい」「楽しみをいっさい感じられない」という、慢性的なうつ症状を訴える人が中心でした。
しかし現在は、特定の時間帯に抑うつ症状が現れたり、仕事中はうつ状態だけれど、旅行などの趣味は楽しめるといった「非定型うつ病」が急増しています。
とくに、都市部の女性でこのような病態がめだつようになりました。

また、非定型うつ病の前ぶれとして起こることも多い、不安障害の患者さんも増えています。
電車のなかなどの公共の場面で発作を起こす「パニック症(パニック障害)」や、人前で何かをすることに、強い不安や恐怖を感じる「社交不安障害」などは、その代表例です。

こうしたこころの病気の治療には、まず薬を使った治療がおこなわれます。
しかし、薬で一時的に症状を改善できても、再びうつや不安の症状になやまされる人は少なくありません。

そこで現在、こころの病気に有効な治療法として、薬物療法と並んでおこなわれているのが、認知行動療法です。
認知行動療法の最大の特徴は、なんといっても、効果が科学的に実証されていることです。
そのため現在は、もっとも有効な心理療法として、世界的な広がりを見せています。

認知行動療法についての4回目です。
こころの病気や、こころのつらさに悩むすべての人に、少しでもお役立ていただけることを願っています。

尚、当ルームでは、カウンセリングにより認知行動療法が最善であると判断した場合は、同意を頂いた上で、それぞれの方に合ったペースで実施させて頂いております。
お気軽にご相談下さいませ。

【行動を変えて、新たな認知の効果に気づく】

新たな認知を心から信じるには
認知の変容のためには、まず自動思考を変えるトレーニングをおこないます。

自動思考は瞬時に浮かぶ思考のため、比較的変えやすいのですが、とはいえ「心からは納得できない」という場合もあります。

不安や恐怖があっても一歩踏み出してみる
そんなときは、新たな認知が妥当なものかどうかを、行動で確かめることも大切です。

たとえば「また女性にきらわれてしまった」という自動思考を、「私を好きになってくれる女性もいる」という認知に変えたとします。
この新しい認知を心から確信するには、実際にさまざまな女性を誘って確かめてみるなどのトレーニングが役立ちます。

行動そのものにも、つらい感情を変える力がある
さらに行動を変えること自体にも、気分を変える効果があります。

とくにうつの場合は、活動量の低下により、気分がますます落ちこむこともあります。
行動パターンを変え、活動量を増やすだけでも、うつ気分を改善するのに効果的です。

※うつのときに、無理して行動してもいいの?
うつ病と診断された直後は、薬物療法と休養が第一です。
そんなときに無理をして行動すると、かえって症状が悪化する可能性があります。

しかし薬物療法で症状が少しよくなり、認知行動療法にとり組み始めた後は、新たな認知を現実の場面で試すことも大切です。
新たな認知を検証する、重要な機会となるからです。

主治医やセラピストと相談しながら、時機を見て、外に出る機会を少しずつ増やすようにするとよいでしょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史