交代制勤務の方は要注意。睡眠のリズムに狂いが生じる「睡眠・覚醒スケジュール障害」とは

心の病気

【どんな病気?】
概日リズムと、社会・生活環境のずれから起こる

睡眠は、人それぞれに合った睡眠時間帯(睡眠・覚醒のスケジュール)があります。
この睡眠と覚醒のリズムが狂って何か月も元に戻らず、通常の生活に支障をきたしている状態が睡眠・覚醒スケジュール障害です。

概日リズム」とは、約24時間周期で変動する生理現象のことで、一般的には「体内時計」といわれます。
概日リズムの中枢は、脳の視床下部が担っており、ここで睡眠、覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌などさまざまな生理機能の一日のリズムをつくり出しています。

しかし、刻み続ける概日リズムと社会・生活環境とのずれによって精神・身体機能のバランスが崩れたときに、それが睡眠障害となって現れることがあります。

【症状】
<睡眠相後退型>
自分のリズムとなっていた睡眠時間帯が後ろのほうにずれ、その結果、不眠や過剰な眠気などが生じる。
そのうち昼夜逆転になってしまうこともある。

<睡眠相前進型>
逆に睡眠時間帯が前のほうにずれ、早朝の不眠と日中の眠気が生じる。
高齢者に多い傾向。

<不規則睡眠-覚醒型>
まとまった睡眠時間がなく、一日の睡眠が断片化される。
その結果、何度も居眠りをする。

<非24時間睡眠-覚醒型>
なんらかの原因で概日リズム(24時間周期で変動する生理現象)が崩れ、睡眠-覚醒のリズムも崩れる。
次第に寝つけなくなり、睡眠時間帯が日中になることもある。

<人為的スケジュール型>
交代制の勤務をしていたり、時差の調整がうまくいかないなどで睡眠障害が現れる。

これらの症状から、次のような症状が現れることがある。
●不安感 ●イライラ感 ●だるさ ●集中力低下

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
遺伝についてはわかっていない。
おもに体内時計が変化することで起こる。
また、何らかの身体的疾患が原因となっていることもある。

<心理・社会的な要因>
生活習慣や生活のリズムが概日リズムに影響を及ぼす。

<脳・神経機能の関与>
「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンが影響しているとも考えられる。

【治療法】
<薬物療法>
メラトニン(自然な睡眠をもたらす)や、ビタミンB12(光に対する感受性を増加させる)の服用。

<精神療法>
基本は行動療法となる。
光の刺激には、乱れた体内時計をリセットする働きがあることがわかっている。
症状が重い場合には、入院して高照度光照射療法(起床時に強い光を浴びる療法)などを行う。

【経過】
症状により異なるが、数か月から数年は症状が続く。
また、よくなったり悪くなったりを繰り返すこともある。

【本人や周囲が気をつけること】
睡眠リズム表をつけ、自分の睡眠状態を知る

まずは生活習慣を改めていく努力が大切です。
たとえば、睡眠リズム表を毎日つけて、就寝時間、起床時間、昼夜の時間など、睡眠に関する時間を記録してみましょう。
そうして自分の睡眠状態を知るとともに、寝る前の睡眠環境を整えたり、定時に床に入るようにします。
朝起きたときに意識して太陽の光を浴びることも効果があります。

症状が一か月以上続き、日常生活に支障が出るようなら受診しましょう。
かかりつけの医師がいるなら、まずはその医師に相談してみるのもよいでしょう。
睡眠障害の原因に心当たりがある場合は、精神科や心療内科の受診をお勧めします。
また、「睡眠外来」のある病院もあります。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史