理由のはっきりしない強い不安感に悩まされる「全般性不安障害」とは

心の病気

【どんな病気?】
何が心配なのかわからないが、過度な「心配性」で毎日が苦痛

全般性不安障害では、自分や家族を何かしらの恐ろしい不安が襲うのではないかといった理由のはっきりしない強い不安感に苦しめられ、それがほとんど毎日、数週間から数か月以上続きます。
もちろん、不安を感じたことがないという人はいませんし、大切な試験の前には不安で眠れないということもあるでしょう。
こうした「正常な不安」では不安のタネがはっきりとしていて、それに適正に対処したり、あるいは単に時が過ぎるだけでも、不安は解消されるか、意識されなくなるものです。

ところが、全般性不安障害では、不安のタネが次々に出てきて定まらず、自分でも何が心配なのかわからないような状態が続きます。
「心配性」を通り越して、不安をコントロールすることができずに生活に支障が出てきてしまうのです。
警戒心が増し、ささいなことでビクッと驚いたり、イライラして集中できず、落ち着かなくなったりします。
また、不眠に悩んだり、疲れやすさなどを感じるようになります。

【症状】
<精神症状>
●特別な理由がないのに強い不安感に苦しめられ、それが数週間から数か月以上続く ●警戒心が増す ●イライラして集中できず、落ち着かない

<身体症状>
〇睡眠障害(不眠、起床後の倦怠感) 〇緊張型頭痛(頭の周り、首の後ろから肩、背中にかけての筋肉が緊張して起こる頭痛) 〇ふるえ 〇めまい 〇発汗 〇頻脈(心拍数が増加している状態) 〇口の渇き

【病因】
全般性不安障害のメカニズムは、はっきり解明されていないが、ストレスとなる出来事がきっかけとなって、いつのまにか発症し、慢性化するケースが多い。
生涯有病率(一生のうちで病気にかかる割合)は3~8%で、女性に多く見られ、約半数の患者に他の精神疾患(うつ病・適応障害など)の症状がある。

【治療法】
パニック障害や恐怖症性不安障害などの不安障害と違って激しい症状は出ない。
しかし、常に不安な心理状態にあるため、まずは抗不安薬などを使い、コントロール可能な程度に不安を軽減したら、精神療法により、不安を自分でコントロールできるようにする。

<薬物療法>
抗不安薬、抗うつ薬、βブロッカーなど

<精神療法>
支持的精神療法、認知行動療法など

【経過】
他の精神疾患と同時に現れることが多く、経過は一様ではない。
よくなったり、悪くなったりを繰り返し、慢性化することが多い。
不安を感じる対象は、その時々で変化する。
この病気と気長につきあい、治療を受ける覚悟が必要。

【受診の目安】
「気にしすぎ」ですませないで

日常生活に支障が出るようであれば、「気にしすぎ」などといってすませず、治療を受けるのが適切な選択です。

全般性不安障害の患者は、「何となく体調がすぐれない」と内科を受診し、自律神経失調症と診断されることがあります。
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが乱れることで、身体にさまざまな疾病を引き起こす状態です。
どちらも似た症状を示すことが多いので、精神的な症状が強く現れた場合は不安障害、身体的な症状が強く現れた場合は自律神経失調症を疑って、受診する科を選ぶとよいでしょう。

【本人や周囲が気をつけること】
生活に楽しみを見つける

本人は常に不安な心理状態にあり、苦しんでいます。
周囲の人はそのことを理解し、温かくサポートすることが大切です。
本人も生活に楽しみを見つけるなど、うまく対処できるように心がけましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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