人から注目される状況を過度に恐れる「社交不安症(SAD)」について

心の病気

【どんな病気?】
人と話すことなどに度を超えた恐怖を抱く

人前で何かをするときに極度に緊張して、自分の不適切な言動によって笑われるのではないか、あるいは自分の容姿や振る舞いのために人々から注視されたり、不快な反応を引き出してしまったりするのではないかという恐怖や不安を抱きます。
その恐怖が度を超えたものであることは本人も自覚していますが、自分でコントロールすることができません。
特徴的な症状として次のような例があります。

◇人前で話すときに極度に緊張する。
◇周囲からの視線が気になり、恐怖を感じる。
◇人から注目されると、緊張して赤面したり汗をかいたりする。
◇人前で食事をすることができない。

このような強い恐怖や不安感を抱きながら社会生活を続けるうちに、緊張感の生じる状況を避けて仕事や生活に支障をきたし、ひきこもりなどの重症化につながってしまう可能性があります。

【症状】
<精神症状>
●人々から注目されることに強い恐怖を抱く ●人から否定的な評価を受けることを恐れる ●そうした状況を回避しようとして社会的孤立に至る

<身体症状>
〇赤面 〇動悸 〇めまい 〇発汗 〇手のふるえ 〇吐き気 〇頻尿

【原因】
原因はわからないことが多い。
<遺伝・体質的な背景>
遺伝・体質的になりやすい人もいる。

<心理・社会的な要因>
子どもの頃の恐怖の体験や行動抑制(内気・人見知りなど)が発症の危険要因になると考えられる。

<脳・神経機能の関与>
不安に関連した神経伝達物質(脳内の神経細胞間の情報を伝達するもの)の過剰な分泌や過敏さが認められる。

【治療法】
<薬物療法>
抗不安薬、抗うつ薬など

<精神療法>
認知行動療法で、自分の感じている恐怖が間違った思い込みであることを理解し、不安に陥りやすい感じ方や考え方を少しずつ変えていく。

【経過】
多くは10代半ばと比較的早い時期に発症するが、本人は性格の問題だと考えていることが多く、長期にわたって1人で悩み、社会生活に支障をきたすようになってから受診する傾向がある。
また、思春期に発症したのち、30歳以降で症状が軽快することも多い。

【受診の目安】
日常生活に支障のある状態が長く続くようなら受診を

本人にとって、それほど苦にならない状況であれば、自然に症状が軽減することを期待してもよいでしょう。

社交不安症は、本人や家族が「性格の問題」だと思い込んで、なかなか受診につながらないという現状があります。
しかし、日常生活に支障をきたすほど強い恐怖や不安を感じ、それが長く続くようであれば、社交不安症の可能性があるといえます。
症状が慢性化してしまうことを避けるためにも、早めに受診することが大切です。

【本人や周囲が気をつけること】
リラックスできる環境を整え、焦らずに回復を待つ

多くの場合、治療には時間がかかりますから、焦らずに回復をゆっくりと待つことが大切です。
周囲は、本人がリラックスした状態で生活できるように、環境を整えるようにしましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史