心の病気の原因には、外因・心因・内因が考えられますが、特に心にかかる負担となる心因には、重要なキーワードがあります。
そのいくつかを紹介します。
【葛藤】
2つの欲求からひとつを選ぶときに起こる迷い
同時に2つの相容れない欲求があるときに、どちらを選ぼうかと決められずにいる状態を「葛藤」といいます。
たとえば、学校や職場に行かなければならないと思っていても、どうしても身体が動かないということがあります。
自分の意思ではそうしなければならないとわかっているのに、身体がいうことを聞いてくれないのです。
こうした心の葛藤を本人が意識したとき、それが大きなストレスとなり、ストレス反応を起こします。
また、葛藤が解決されないままの状態が続くと、人はわけもなく不安を覚えることになります。
そうしてさまざまな心の病気に陥ってしまうこともあるのです。
【うつ】
うっとうしい気分が続き、興味がわかない
「うつ」という言葉を『広辞苑』でひくと、「気のふさぐこと」とあります。
落ち込んだり、イライラしたりといった気分は、誰もが感じることでしょう。
たとえば、就職活動で何社も受け続けているのに決まらないとき、落ち込んだり、悩んでしまうことがありますが、これもうつ状態といえます。
つまり、気分が落ち込む、興味がわかない、意欲や関心が薄れる、疲れが取れない、消極的になるなど、精神的エネルギーが低下している状態がうつ状態です。
しかし、うつ状態だからといって、「うつ病」とは限りません。
こうしたうつ状態が長時間、長期間続くことがあります。
診断基準上は、少なくとも2週間以上こうした症状が持続しているときなどにうつ病が疑われます。
自分で何かおかしいと感じるとき、また周囲から見ておかしいとかんじるとき、早めに受診することが大切です。
身体の病気が、予防・早期発見が重要であることと全く同じく、心の病気も予防・早期発見が最も重要です。
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史