イライラをなんとかしたい【感情のしくみを理解しよう】

心の持ち方

怒りには激怒からちょっとした違和感までさまざまな種類がありますが、ここではいちばん身近な怒りであるイライラを例にお話ししていきましょう。

怒りは弱い感情の裏返しです。
つまり、イライラは弱っていることのサインです。
イライラがひどいときは、それだけ自分が弱っているということ。
そんなときに必要なのは、自分へのダメ出しではなく、自分をやさしくケアしてあげることです。

イライラしやすい人は、自己犠牲的な我慢をしていることが多く、他人を甘えさせるばかりで自分自身が誰にも甘えていない「甘え不足」になっていることが多いので、イライラしているときは、どうぞ自分を存分に甘やかしてあげてください。

例えば、疲れているならゆっくり休む、家事をしないでダラダラ過ごす、ネイルやお肌のお手入れをする、少し贅沢なものを味わうなど、どうしたら自分が心地いいか、いろいろ試してみましょう。

そうして少し気持ちが落ち着いたら、改めてイライラの中身について考え、適切な行動につなげていくことが次の怒りの予防となり、自信アップにもなります。

怒りは欲求不満の感情です。
つまり、イライラしやすいということは、それだけ多くの欲求があるということ。
そして、物事や他人に対する欲求、つまり期待値と現実とのギャップの大きさが怒りの大きさになるのです。

従って、イライラの中身を考えるとは、自分が何に対してどういう欲求をもっているのかを正確に知ることです。
欲求がありすぎるために怒りが生じているのですから、その欲求をうまく処理することが怒りを減らすことになります。

では、まず、怒りを生む「べき思考」について説明しましょう。

私たちは、怒るとき無意識に必ず「…べき」「…べきではない」と考えています。
これは、物事を100%思いどおりにしたいという期待のあらわれです。
この「べき思考」を意識的にみつけて、そのつど語尾を言い換えて期待値を下げる練習を繰り返していけば、怒りを減らせるようになります。
例えば、「あなたはもっと私の話をちゃんと聴くべき」を「聴いてくれたらいいなあ」、「みんなよそ見をしながら歩くべきじゃない」を「よそ見をしながら歩かないでほしい」などに言い換えて、「べき思考」を上書きします。
これをくり返すことで、なんでも100%思いどおりにしたいという気持ちを少し手放すことができるようになります。

心理学の世界では「他人と過去は変えられない」と言いますが、怒りが強い人の話を聴いていると、コントロールできないはずの他人や状況を変えたがっていることが少なくありません。
前の例でも、「べき思考」の主語は他人になっていますよね。

無理なことに執着し続けることほど、意味のないことはありません。
イライラしやすい人はムダを嫌うことが多いですが、他人や状況を変えることにこだわるのはまさにエネルギーのムダ使い。
あなたの貴重なエネルギーは、自分の精神衛生をよくするために使いましょう。

次に、イライラの解消法ですが、怒りはアウトプットしなければ溜まっていくだけなので、そのつど適切にアウトプットしていく必要があります。

アウトプットの方法は4つ。
①その場は我慢して別のところで吐きだす、②直接相手に怒りをぶつける、③間接的に相手に怒りを伝える、④率直に話し合う、です。

どの方法を選ぶかは、その時どれだけの実害を受けたか、相手との関係がどれほど重要かで決めるとうまくいきます。
例えば、道でぶつかられたなど通りすがりの人に対して覚えた怒りは、けがをしたなどの実害がないかぎりはスルーして、我慢した自分をほめ、ひとりごとで文句を言ったり、誰かに愚痴を聴いてもらったりします。
そして、衝撃を受けた自分をやさしくケアしてあげましょう。

一方、パートナーなど大事な相手に対しては、自分が望んでいることを率直に伝え、問題を感じたことについてしっかり話し合います。
怒りを感じたということは、思いどおりにならなかったということなので、そのときの欲求を「私はあなたに本当はこうしてほしかったの。よかったら、今度からそうしてくれない?」とお願いのかたちで伝えられると建設的な話し合いがもてるようになります。

このとき、くれぐれも感情的に「どうしてそうできないの」「こうすべきでしょ」「こうしてよ」などと相手に自分の欲求をおしつけないこと。
どんなに自分が正しいと思っても、ダメ出しで相手を否定してはいけません。

我慢というのは、こうした衝動を抑えるためにこそ使うものです。
衝動的な言動をしそうになったら、とにかく間をとってください。
そして、4つのどの表現を使ったらいいかよく考えてください。
間をとることは、練習すれば必ずできるようになります。
もしうまくできなくても、チャレンジするたびに自分をほめてあげてくださいね。

また、イライラしやすいのは許容範囲が狭いということでもあるので、頭でっかちにならないよう、いろいろな経験をして自分の幅を広げることも怒りを減らす効果があります。

イライラしているときは弱っているサイン。
思いっきり自分にやさしくしてあげて。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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