女性に比べて気づきにくい、男性の更年期障害(LOH症候群)について

心の病気

【どんな病気?】
女性に比べて更年期障害に気づきにくい
男性の更年期は、正式名称を「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」といい、その名のとおり、男性ホルモンであるテストステロンの減少が影響しています。

テストステロンは精巣でつくられ、筋肉や骨量を増強する、男性性や、性機能を維持する、肥満を抑える、意欲を促すなどの役割があります。
分泌のピークは20代で、加齢とともに徐々に低下していきますが、個人差が大きく、70代で40代並みの分泌量の人もいれば、その逆もあります。

男性更年期は、女性の閉経のようにわかりやすい身体の変化がないため、本人も更年期障害に気づきにくいという難しさがあります。
症状は、「身体」「精神」「」の3つに分けられます。
身体の症状は、ほてりやのぼせ、めまい、多汗、動悸、頻尿、疲労など。
精神の症状は、意欲の低下、気分の落ち込み、イライラ、不眠、記憶力低下などで、「自分はうつ病かもしれない」と思い込む人も多いようです。
性の症状では、性欲の低下、性的能力の衰え、早朝勃起の回数の減少などが挙げられます。

【症状】
<精神症状>
●気分の落ち込み ●イライラ ●不眠 ●記憶力低下 ●性欲の低下

<身体症状>
〇ほてり 〇のぼせ 〇めまい 〇多汗 〇動悸 〇頻尿 〇疲労 〇性的能力の衰え 〇骨粗しょう症 〇肥満 〇高血圧 〇糖尿病 〇脂質異常症

【病因】
テストステロン(男性ホルモンのひとつ)の減少が原因であることは間違いないが、同じ分泌量でも男性更年期障害を生じる人と生じない人がいる。
テストステロンの減少に環境的な要因が重なって起こると考えられる。

<遺伝・体質的な背景>
体調の変化とテストステロンの減少が関係する。

<心理・社会的な要因>
さまざまなストレスが関係する。
神経質で真面目、責任感や競争心の強い人ほどなりやすいといわれる。

【治療法】
<薬物療法>
ホルモン補充療法が中心になる(3~4週間ごとの筋肉注射が一般的)。
ただし、前立腺の病気がある場合は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの漢方薬療法がとられる。
ほかに、バイアグラなどのPDE5阻害薬など。

<精神療法>
生活環境を見直す。
男性ホルモンを増加させる食事療法など。

【経過】
男性の更年期障害の場合、女性の閉経のように、明確な区切りがないのでわかりにくい。
症状には個人差があるが、治療は男性ホルモンの補充療法が一般的で、3か月ごとに効果を確認し、治療を中断あるいは継続する。

【受診の目安】
泌尿器科、もしくは男性更年期専門外来を受診

日常生活や夫婦生活に支障があるようならば、受診を考えましょう。
たとえば、今まで感じていなかった「怒り」を感じるようになった、室温に関係なく「ほてり」があるなどは更年期障害の典型的症状です。
また、気持ちが落ち込む、やる気が出ないなどでうつ病だと思って心療内科を受診し、治療を開始しても効果がないという場合も。

このような場合は泌尿器科、あるいは男性更年期専門外来を受診し、男性ホルモンの値を測定してもらいます。

【本人や周囲が気をつけること】
早めの受診とセルフケアが大切

女性の更年期障害の場合は一般的な認知度も高く、経験者も多いので、相談しやすいかもしれません。
しかし、男性の場合は悩みを打ち明ける人や場所も少なく、うつ病と混同する場合もしばしばです。
そのため、さらに悩みを抱え込んでしまうという悪循環にもなりかねません。

自分からはアクションを起こせない、あるいは気づかない反面、家族や周囲が「最近、怒りっぽくなった」「笑わなくなった」などの異変に気づくことが多いようです。
このような場合は、早めに本人に受診を勧めましょう。

男性更年期障害の対処には、セルフケアも有効です。

◇睡眠…テストステロンは朝に数値が高く、夜に低くなり、睡眠中に回復する傾向にあるため、良質な睡眠は重要です。睡眠環境を整えるようにしましょう。

◇運動…筋力の維持や強化に効果のあるダンベル体操や腕立て伏せ、腹筋などの無酸素運動を取り入れましょう。

◇食生活…テストステロンの減少を抑える効果が期待できる食材を積極的にとるようにします。たとえば、ニンニクやタマネギ(合流アミノ酸)、牡蠣(亜鉛)、とろろ(ムチン)、ナッツ(アルギニン)などです。

◇リラックス…ストレスがたまると交感神経が刺激され、テストステロン値が下がっていきます。趣味の活動や社会参加などを積極的にしている人は、男性更年期障害が少ないというデータがあります。自分なりのストレス解消法を探りましょう。

◇禁煙…喫煙はテストステロン値を下げることがわかっています。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史