増加の一途をたどる「うつ病」について-②

心の病気

増加の一途をたどっているうつ病ですが、具体的にはどのような病気なのでしょうか。
私のブログ、「症状で調べる心の病気」で何度も出てきましたが、あらためて2回に分け、より詳しく説明していきます。
今回は、その第2回目です。

【症状】
<精神症状>
●気分が落ち込む ●日ごろ興味や喜びを感じていたものに気持ちが向かない ●行動するのも考えるのも面倒でおっくう、疲れを感じやすい ●集中力や注意力の低下 ●自信喪失 ●自責の念や無価値観 ●将来を悲観的にとらえる ●自傷行為(自分を傷つける)をしたり、自殺を考えたりする

<身体症状>
〇不眠 〇食欲低下、体重減少 〇性欲の減退 〇疲れやすい体質(易疲労性=身体をあまり使っていないのに疲れを感じる)

【病因】
うつ病の原因は、まだはっきり解明されていない。
かかりやすい体質は遺伝しやすいが、ストレスなどからくる環境要因の影響が大きいと考えられる。
ストレスとなる日常の出来事(昇進、退職、転居、過労、死別、離婚、出産など)がきっかけとなって発症するケースが多いといえる。

しかし、環境要因が見当たらなくても発症することもある。
うつ状態になると、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質(脳内の神経細胞間の情報を伝達するもの)の働きが低下していると考えられている。

うつ病にかかる前の性格として、几帳面、凝り性、完璧主義、仕事熱心、勤勉で責任感が強い、周囲の人に気をつかう、悲観的、自己愛が強い、などが挙げられる。
日本におけるうつ病の生涯有病率(一生のうちで病気にかかる割合)は6.6%(平成18年度世界精神保健調査データより)で、およそ15人に1人がうつ病を経験していることになる。

【治療法】
なるべく早い段階で心身を休めることが、すみやかな回復へとつながる。
会社員であれば、医師に診断書を書いてもらい、会社を休むなど。
主婦であれば家事を家族と分担したり、多少の手抜きをするなどして、療養をとる。
そのうえで、薬物療法と精神療法が併用される。

自宅での休養が困難であったり、自殺が懸念されるなどの重症な場合には、入院治療が必要となる。

<薬物療法>
抗うつ薬、その他

<精神療法>
認知行動療法、支持的精神療法、対人関係療法など。

【経過】
適切な治療を行えば、数か月で改善し、まれに数年かかることもあるが、症状は完全になくなり、回復する。
人によっては一生に数回起こることもある。

【受診の目安】
精神・身体症状のいくつかを自覚したら早めに受診を

前述のうつ病の精神・身体症状のいくつかを自覚し、その苦痛が1~2週間以上続くようなら、早めに受診したほうがよいでしょう。

かかりつけの内科医や家庭医が心の病気について理解が深い場合は、その医療の範囲内で治療が可能です。
重症や難治性のうつ病の場合は専門医療が必要です。
その場合は、総合病院の心療内科・精神科などを受診します。

【本人や周囲が気をつけること】
一時的な不調だと心得て、深刻になりすぎないようにする

患者本人は、無力感や自責の念から退職、あるいは離婚などに走りがちですが、大きな決断はひとまず置いて、医師に相談しましょう。

家族や周囲の人は、励ましは本人の苦痛を増す結果になるので控えるようにします。
実際に抑うつ状態にある人の苦痛は、表情や口調からは読み取れないほど大きいものです。
また、本人のことを心配するあまり、家族全員が沈み込んでしまうと、それもまた本人の心に負担をかけてしまいます。
周囲は、本人にとってつらい今の状況は病気による一時的な不調であり、一進一退はあっても必ず治癒することを理解しましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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