女性の性機能障害(FSD)について

心の病気

女性の性機能障害は、FSD(Female Sexual Dysfunction)とも呼ばれます。
原因は、心因性、身体因性、混合性、不明性に分けられます。
また、性的行為を経験した当初からずっと障害が続いているものを「生来型」、ある時期から障害が始まったものを「獲得型」と分類します。
さらに、パートナーに限らずすべての相手とセックスができない場合と、パートナーに対してのみセックスができないものの2種類があり、女性の場合は前者が多いようです。

その症状は、性欲低下・性的興奮やオルガズムの欠如といった性的反応の障害と、性行為の痛みに大別されます。
具体的には、出産後の環境の変化や育児の疲れなどによる性欲の低下、性行為の痛みからセックスに関心が向かなくなったという声はしばしば聞かれます。

ほかに、女性に見られる障害では性嫌悪症があります。
これは性行為や、性的な事柄に嫌悪感を抱き、性的パートナーとの関係を維持するのが難しくなるというものです。
女性に多く、セックスレスの原因のひとつとなっています。

【精神症状】
●性欲の低下 ●性行為への不安感や恐怖感などで性交を嫌悪する ●性的興奮やオルガズムを得られない ●パートナーとの関係悪化

【身体症状】
〇性交時に性器に痛みを感じる 〇膣がけいれん(膣への挿入時に膣の入り口が収縮)を起こす

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
外陰炎、膣炎、子宮内膜症、子宮筋腫などの女性特有の病気、加齢による膣の乾燥や委縮、女性ホルモン(エストロゲン)の減少、薬物の副反応などが影響することがある。

<心理・社会的な要因>
トラウマになるような性の体験(強姦や近親相姦など)、中絶や死産、厳しすぎる養育環境、親の干渉が強く精神的に自立できていない、パートナーとのコミュニケーション不全、うつ状態、長期間のストレスなどの心因によることが多い。

【治療法】
女性の性機能に影響を与える病気がある場合は、その病気の治療を優先する。
また、性機能についての正しい知識を得るように性教育を行うことがあり、本人だけでなくパートナーへの指導が必要になることもある。

<薬物療法>
身体的要因による場合はその治療薬、ホルモン補充療法、漢方薬など。

<精神療法>
カウンセリングによる日常生活の見直し、感覚集中訓練、行動療法など。
必要であれば外科的療法も。

【経過】
性機能障害に至った原因によって、治療のアプローチ方法もさまざま。
回復にかかる時間も異なる。

【受診の目安】
性交を困難にしている身体の病気がある場合以外は、本人の心因(性に対する恐怖やトラウマなど)やパートナーとの関係性が問題となってきます。
未婚の女性の場合は、家族が気づくことはほとんどなく、本人が一人で悩んでいます。
恋人や夫がいる場合は、相手の男性が気づくことがあるでしょうが、こうした性行為に関する話はなかなかできないかもしれません。

まずは、一人で悩まずに婦人科や心療内科に相談してみましょう。
原因が身体的な問題であればその治療が必要ですし、パートナーとの関係など、精神的な面で問題があるときはその関係性の改善などに取り組むようアドバイスをしてくれます。

男性とつきあい、新しい生活を築いていくこと、夫婦二人の関係をよりよくすることは、これから生きていくうえで非常に大切なことです。
本人が(パートナーがいるときはパートナーも一緒に)治療に前向きになることが、まず望まれます。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史