記憶がない/過去の行動の一部が思い出せない(症状で調べる心の病気-㉛)

症状

自分も周囲もおかしいと感じるとき、その症状によっては様々な「心の病気」が疑われます。
放っておくと症状はどんどん悪化し、結果的に治療が長引いてしまう結果にもなりますので、早めの受診が必要です。
症状で調べる心の病気』の31回目です。
皆様に、少しでもお役立て頂けたらと思います。

【記憶がない/過去の行動の一部が思い出せない】
知識や過去の経験などの記憶が抜け落ちたり、思い出せなくなることを「健忘」といいます。

健忘には原因による分類のほか、思い出せない記憶の内容や、時間的関係による分類があります。
内容による分類には、すべて思い出せない「全健忘」と、一部は思い出せる「部分健忘」があります。

なお脳疾患では、一時的に発症後のすべての記憶がなくなる「一過性全健忘」が起きることがあります。

器質性精神障害・認知症・解離性障害について、それぞれの詳しい症状としては、以下の様なものがあります。(●…精神症状/〇…身体症状)

<器質性精神障害>
脳疾患や頭部外傷、脳以外の身体疾患などによって脳が二次的に障害を受けてその機能が低下し、何らかの精神症状を示すものです(器質性=臓器や組織の形態的異常に基づいている状態)。
つまり、脳に障害をもたらす疾患のすべてが原因となり得るため、発生する器質性精神障害も多岐にわたります。

神経変性疾患・脳血管障害・頭部外傷・頭蓋内占拠病変・感染症、炎症・膠原病、自己免疫疾患・代謝障害・ビタミン欠乏・内分泌性障害・中毒性障害・低酸素性障害・産褥期精神障害、術後精神障害、薬剤性精神障害

<認知症>
認知症は、脳の細胞が壊れ、その機能が失われていく病気ですが、症状は、その脳細胞が果たしていた役割が失われる「中核症状」と、中核症状から二次的に引き起こされる「周辺症状」に分けられます。

中核症状
●体験そのものを思い出せなくなる ●判断力が低下する(料理の手順がわからなくなる、片付けられなくなるなど)●季節感がわからなくなる ●アナログ時計が読めなくなる ●物事を計画的に実行できなくなる ●言葉がうまく使えなくなる ●文字を書くことが難しくなる ●言葉の意味を理解できなくなる ●五感が鈍くなる ●自分がいる場所がわからなくなる ●家族の顔がわからなくなる

周辺症状
●不安、抑うつ状態 ●物盗まれ妄想 ●徘徊 ●せん妄 ●幻覚・錯覚 ●暴力・暴言 ●介護拒否 ●失禁 ●不眠、睡眠障害、昼夜逆転 ●帰宅願望 ●異食(食べられないものを食べようとするなど)●弄便(大便をつかんだり、壁などにすりつけたりする

<解離性障害>
苦しい状況に適応できない。
耐えがたいストレスを受けたとき、自我(アイデンティティ)をバラバラにすることで自己防衛します

●自分の過去のある部分(数時間~数日間)が思い出せなくなる ●自分の名前、職業、家族などの記憶を失い、家庭や職場から失踪してしまう ●自分を外から眺めているような感覚が生じる ●2つ以上の人格が出てくる
〇身体が硬くなって、手足などが動かせなくなる 〇寝たきり状態になり、言葉を交わしたりできなくなる

※解離性障害についての詳細は、後日のブログにて単独でご説明致します。

心の病気になってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。
本人がおかしいと感じること、周りの人がおかしいと感じること、そして周りの人が心の病気を十分に理解し、サポートしていくことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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