物忘れが激しい/人の名前が出てこない(症状で調べる心の病気-㉚)

症状

自分も周囲もおかしいと感じるとき、その症状によっては様々な「心の病気」が疑われます。
放っておくと症状はどんどん悪化し、結果的に治療が長引いてしまう結果にもなりますので、早めの受診が必要です。
症状で調べる心の病気』の30回目です。
皆様に、少しでもお役立て頂けたらと思います。

【物忘れが激しい/人の名前が出てこない】
記憶は覚えること(記銘)と、それを蓄え(保持)、思い出すこと(想起)の3つの要素で成立しています。
そのため、人の名前がすぐに出てこなくても、何かの拍子で思い出せれば、ただちに記憶障害が疑われるわけではありません。
問題になるのは、人に教えられてもまったくピンと来ず、いつまで経っても思い出せないときです。

知識や過去の経験など、言葉で表現できる記憶が抜け落ちたり思い出せなくなることを「健忘」といいます。

その原因により、脳に損傷の認められない心因性健忘(PTSDや解離性障害などで見られます)、頭部外傷による外傷性健忘、飲酒や薬による薬剤性健忘、脳疾患などによる症候性健忘、認知症による健忘に分類されます。

認知症・器質性精神障害・薬物による障害について、それぞれの詳しい症状としては、以下の様なものがあります。(●…精神症状/〇…身体症状)

<認知症>
認知症は、脳の細胞が壊れ、その機能が失われていく病気ですが、症状は、その脳細胞が果たしていた役割が失われる「中核症状」と、中核症状から二次的に引き起こされる「周辺症状」に分けられます。

中核症状
●体験そのものを思い出せなくなる ●判断力が低下する(料理の手順がわからなくなる、片付けられなくなるなど)●季節感がわからなくなる ●アナログ時計が読めなくなる ●物事を計画的に実行できなくなる ●言葉がうまく使えなくなる ●文字を書くことが難しくなる ●言葉の意味を理解できなくなる ●五感が鈍くなる ●自分がいる場所がわからなくなる ●家族の顔がわからなくなる

周辺症状
●不安、抑うつ状態 ●物盗まれ妄想 ●徘徊 ●せん妄 ●幻覚・錯覚 ●暴力・暴言 ●介護拒否 ●失禁 ●不眠、睡眠障害、昼夜逆転 ●帰宅願望 ●異食(食べられないものを食べようとするなど)●弄便(大便をつかんだり、壁などにすりつけたりする

<器質性精神障害>
脳疾患や頭部外傷、脳以外の身体疾患などによって脳が二次的に障害を受けてその機能が低下し、何らかの精神症状を示すものです(器質性=臓器や組織の形態的異常に基づいている状態)。
つまり、脳に障害をもたらす疾患のすべてが原因となり得るため、発生する器質性精神障害も多岐にわたります。

神経変性疾患・脳血管障害・頭部外傷・頭蓋内占拠病変・感染症、炎症・膠原病、自己免疫疾患・代謝障害・ビタミン欠乏・内分泌性障害・中毒性障害・低酸素性障害・産褥期精神障害、術後精神障害、薬剤性精神障害

<薬物による障害>
一回だけのはずが、深みにはまっていく。
●薬物の有害な使用により、一時的な陶酔感、酩酊感などを得るが、疲労感や不安感、知覚異常、意欲の減退、無気力、抑うつなどの障害が生じる ●幻覚や妄想、強迫観念などが生じる ●離脱症状として睡眠障害、抑うつ、不安、焦りなどが生じる ●薬物の摂取がほかの何よりも優先される ●薬物の効果が切れると、使いたいという欲求が猛烈に湧いてくる ●薬物の量をコントロールできなくなる ●薬物の使用を中止すると、不快な症状が現れる ●薬物を何としても手に入れようと犯罪に手を染めることもある
〇脳・心臓血管障害 〇血圧、免疫機能の障害 〇筋肉や関節の痛み 〇けいれん発作 〇食欲の増進あるいは減退 〇嘔吐 〇下痢 〇異常な発汗 〇倦怠感

心の病気になってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。
本人がおかしいと感じること、周りの人がおかしいと感じること、そして周りの人が心の病気を十分に理解し、サポートしていくことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

コメント