妄想にとらわれる/理屈に合わないことを信じ込む(症状で調べる心の病気-㉖)

症状

周囲から見ておかしいと感じるとき、その症状によっては様々な「心の病気」が疑われます。
放っておくと症状はどんどん悪化し、結果的に治療が長引いてしまう結果にもなりますので、早めの受診が必要です。
症状で調べる心の病気』の26回目です。
皆様に、少しでもお役立て頂けたらと思います。

【妄想にとらわれる/理屈に合わないことを信じ込む】
妄想
とは、自身に結びついた事柄への根拠のない誤った確信です。
統合失調症をはじめ、さまざまな疾患で見られます。
その思い込みは強烈で、どんなに合理的に説明しても訂正されることはありません。

妄想は、その内容によって「被害関係妄想」や「誇大妄想」などに分けられます。
被害関係妄想は「他者から嫌がらせや危害を受ける」といった思い込みで、統合失調症などに多く見られる妄想です。

誇大妄想は自身を必要以上に過大評価するもので、双極性障害の躁状態に現れやすい妄想です。
また、うつ状態では、食べていけない、生きていけないなどと思い込む「貧困妄想」や、「がんになって死ぬんだ」などと病気だと思い込む「心気妄想」もあります。

統合失調症・妄想性パーソナリティ障害・双極性障害(躁うつ病)について、それぞれの詳しい症状としては、以下の様なものがあります。(●…精神症状/〇…身体症状)

<統合失調症>
コミュニケーションが困難、幻覚や妄想が大きな特徴。

【陽性症状】
●ずっと監視されているなど、実際にはないことを確信する(妄想) ●幻覚の症状のひとつとして、誰もいないのに声が聞こえる、悪口を言われる、指図されるなどの幻聴が現れる ●考え方に一貫性がなくなったり、脈絡のない話をするなどの思考障害

【陰性症状】
●喜怒哀楽の感情表現が乏しくなるなど、感情の平板化 ●自分の世界に閉じこもり、周囲の人とコミュニケーションをとらなくなる(自閉) ●自分から何かをしようとする意欲の低下 ●集中力が続かない

【認知機能の障害】
●記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの能力に支障をきたす

<妄想性パーソナリティ障害>
被害妄想が強く、猜疑心も強くなる。

症状
●人から退けられたり、拒まれたりすることに敏感に反応する ●侮辱されたり、軽蔑されたことを忘れず、ずっと恨み続ける傾向がある ●他人の何でもない行為、友好的な行為を敵意があるのではないか、馬鹿にしているのではないかと疑う ●自分の権利を必要以上に主張して、侵されると感じると攻撃する ●配偶者や恋人が性的な裏切りをしていると、理由もなく繰り返し疑う ●自尊心が強く、話のなかに自分を引き合いに出してアピールする ●自分の周りや世間一般に起こる出来事について、「陰謀がある」という思いにとらわれる。

経過
・症状の研究、治療法の確立は、まだこれからの段階。
・次第に回復することもあるが、生涯続くこともある。

配慮点
・仕事や家庭生活に問題を抱えやすく、適切な治療が必要。
・統合失調症と勘違いされやすい。
・異常な疑い深さは、一時的であればパーソナリティ障害ではない。
・大きなトラブルを招いてから症状を発見されることが多い。

<双極性障害(躁うつ病)>
気分が落ち込み、活動量が減少する「うつ病」と、気分が高ぶり、活動量が増大する「躁病」が繰り返される障害です。
症状は、ある日突然切り替わることもありますが、症状が落ち着いている期間を経てから切り替わることが多いといえます。

うつの状態は一般的に数か月から1年、躁の状態は1~2か月持続します。
双極性障害は、発症当初はうつの状態であることが多く、双極性のうつの病状と単極性うつ病では同じ症状を示すため、症状だけからこの2つを区別することはできません。
躁の状態が現れて、初めて双極性障害だと認められます。

●元気いっぱいで、多弁になる。疲れ知らずで、さまざまな行動をし続ける。本人はエネルギーに満ちていると感じている ●はじめは陽気で幸福感に浸っているが、次第に怒りっぽくなることもある ●自信過剰で誇大妄想的なことを口にし、傍若無人にふるまう。他人を見下すような態度になることもある ●考えが次々に湧いて、まとまらない ●大声で早口に、脈絡のない話し方をする ●判断力がなくなり、金銭的な問題行動(ギャンブル、不適切な投資、浪費など)に走ったり、性的なトラブルを起こしたりする
〇睡眠時間が少なくなる 〇性欲が強くなる

躁病とうつ病のどちらの状態にあっても、本人は苦しく感じており、社会生活でさまざまな困難が生じやすくなります。
症状がはっきり出てくる前に、何らかの兆候に気づき(うつ病の兆候としては、朝の目覚めが悪い、飲酒量が増えるなど)、早期の受診が望まれます。

ストレスは再発のきっかけになることがあります。
疲れを感じたら、休息をとるように心がけましょう。

心の病気になってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。
本人がおかしいと感じること、周りの人がおかしいと感じること、そして周りの人が心の病気を十分に理解し、サポートしていくことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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