心の病気と薬物療法について

心の病気の発症には、心理的な要因や社会的な要因とともに、脳の働きに代表される身体的(生物学的)な要因も大きく関係しています。
この生物学的な要因に働きかける最も基本的で有効な治療法とされるのが薬物療法です。

心の病気へ薬物を投与する試みは1952年、フランスで始まりました。
当初はアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬として開発されたクロルプロマジンに、錯乱や幻覚症状を改善する作用があることを2人の精神科医、ドレーとドニカーが発見したのです。

これを皮切りに、紆余曲折を経ながらもさまざまな薬が研究・開発され、今日に至っています。

【治療薬の種類】
心の病気で使われる薬剤は「向精神薬」と総称されます。
向精神薬には、主に統合失調症で用いられる抗精神病薬や、うつ状態を改善する抗うつ病薬のほか、抗不安薬、睡眠薬、気分安定薬、抗てんかん薬などがあります。

抗精神病薬…妄想・幻想の除去・改善、情緒の安定、うつの改善(統合失調症、まれに双極性感情障害の躁状態、躁病、老年期精神障害などにも適応)
抗うつ病薬…うつ状態の改善(うつ病、うつ状態を伴う他の病気)
抗不安薬…不安・緊張感の除去、自律神経の調整(不安障害、パニック障害、不安を伴う他の病気)
睡眠薬…睡眠の改善・持続(不眠症、不眠を伴う他の病気)
気分安定薬…躁とうつの安定(双極性感情障害、躁うつ病)
抗てんかん薬…てんかん発作の防止・予防、一部は気分安定薬の効果(てんかん)
認知症治療薬…認知機能低下を抑制する(アルツハイマー型認知症)

【副作用は専門医に相談を】
心の病気で適応される薬物療法の目的は、さまざまな問題症状の改善とその再発の予防です。
ですから、症状がよくなっても自身の判断で薬を途中でやめずに、指示どおりに服薬を続けてください。

なお、向精神薬には時として強烈な副作用が現れることがあります。
最近の薬は副作用が少なくなったとはいえ、ゼロではありません。
副作用が出たときは必ず専門医に相談し、薬の量の調整や切り替えを検討してもらいましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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