怒りっぽい/感情を爆発させやすい(症状で調べる心の病気-㉒)

症状

周囲から見ておかしいと感じるとき、その症状によっては様々な「心の病気」が疑われます。
放っておくと症状はどんどん悪化し、結果的に治療が長引いてしまう結果にもなりますので、早めの受診が必要です。
症状で調べる心の病気』の22回目です。
皆様に、少しでもお役立て頂けたらと思います。

【怒りっぽい/感情を爆発させやすい】
感情を抑えることができず、興奮のあまり暴言を吐くなど攻撃的言動をとったり、暴力行為にまで至るケースは、さまざまな疾患で見られます。

原因の特定には、専門家の診断が不可欠です。
せん妄などの意識障害を伴うとき、その興奮や攻撃性の原因として、頭部の外傷脳の病気薬物中毒が疑われます。

一方、統合失調症双極性障害(躁うつ病)などでは、意識障害を伴わずに、些細なことで興奮して感情が爆発することがあります。
このほか、妄想性パーソナリティ障害では攻撃性が強く現れますし、衝動的な行動の目立つ非社会性パーソナリティ障害や、感情の揺れが激しい情緒不安定性(境界性)パーソナリティ障害では、暴力行為が起こります。

双極性障害(躁うつ病)・認知症・妄想性パーソナリティ障害について、それぞれの詳しい症状としては、以下の様なものがあります。(●…精神症状/〇…身体症状)

<双極性障害(躁うつ病)>
気分が落ち込み、活動量が減少する「うつ病」と、気分が高ぶり、活動量が増大する「躁病」が繰り返される障害です。
症状は、ある日突然切り替わることもありますが、症状が落ち着いている期間を経てから切り替わることが多いといえます。

うつの状態は一般的に数か月から1年、躁の状態は1~2か月持続します。
双極性障害は、発症当初はうつの状態であることが多く、双極性のうつの病状と単極性うつ病では同じ症状を示すため、症状だけからこの2つを区別することはできません。
躁の状態が現れて、初めて双極性障害だと認められます。

●元気いっぱいで、多弁になる。疲れ知らずで、さまざまな行動をし続ける。本人はエネルギーに満ちていると感じている ●はじめは陽気で幸福感に浸っているが、次第に怒りっぽくなることもある ●自信過剰で誇大妄想的なことを口にし、傍若無人にふるまう。他人を見下すような態度になることもある ●考えが次々に湧いて、まとまらない ●大声で早口に、脈絡のない話し方をする ●判断力がなくなり、金銭的な問題行動(ギャンブル、不適切な投資、浪費など)に走ったり、性的なトラブルを起こしたりする
〇睡眠時間が少なくなる 〇性欲が強くなる

躁病とうつ病のどちらの状態にあっても、本人は苦しく感じており、社会生活でさまざまな困難が生じやすくなります。
症状がはっきり出てくる前に、何らかの兆候に気づき(うつ病の兆候としては、朝の目覚めが悪い、飲酒量が増えるなど)、早期の受診が望まれます。

ストレスは再発のきっかけになることがあります。
疲れを感じたら、休息をとるように心がけましょう。

<認知症>
認知症は、脳の細胞が壊れ、その機能が失われていく病気ですが、症状は、その脳細胞が果たしていた役割が失われる「中核症状」と、中核症状から二次的に引き起こされる「周辺症状」に分けられます。

中核症状
●体験そのものを思い出せなくなる ●判断力が低下する(料理の手順がわからなくなる、片付けられなくなるなど)●季節感がわからなくなる ●アナログ時計が読めなくなる ●物事を計画的に実行できなくなる ●言葉がうまく使えなくなる ●文字を書くことが難しくなる ●言葉の意味を理解できなくなる ●五感が鈍くなる ●自分がいる場所がわからなくなる ●家族の顔がわからなくなる

周辺症状
●不安、抑うつ状態 ●物盗まれ妄想 ●徘徊 ●せん妄 ●幻覚・錯覚 ●暴力・暴言 ●介護拒否 ●失禁 ●不眠、睡眠障害、昼夜逆転 ●帰宅願望 ●異食(食べられないものを食べようとするなど)●弄便(大便をつかんだり、壁などにすりつけたりする

<妄想性パーソナリティ障害>
被害妄想が強く、猜疑心も強くなる。

症状
●人から退けられたり、拒まれたりすることに敏感に反応する ●侮辱されたり、軽蔑されたことを忘れず、ずっと恨み続ける傾向がある ●他人の何でもない行為、友好的な行為を敵意があるのではないか、馬鹿にしているのではないかと疑う ●自分の権利を必要以上に主張して、侵されると感じると攻撃する ●配偶者や恋人が性的な裏切りをしていると、理由もなく繰り返し疑う ●自尊心が強く、話のなかに自分を引き合いに出してアピールする ●自分の周りや世間一般に起こる出来事について、「陰謀がある」という思いにとらわれる。

経過
・症状の研究、治療法の確立は、まだこれからの段階。
・次第に回復することもあるが、生涯続くこともある。

配慮点
・仕事や家庭生活に問題を抱えやすく、適切な治療が必要。
・統合失調症と勘違いされやすい。
・異常な疑い深さは、一時的であればパーソナリティ障害ではない。
・大きなトラブルを招いてから症状を発見されることが多い。

心の病気になってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。
本人がおかしいと感じること、周りの人がおかしいと感じること、そして周りの人が心の病気を十分に理解し、サポートしていくことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史