爪をかむ/頭を打ちつける/髪を引き抜く(症状で調べる心の病気-⑳)

症状

周囲から見ておかしいと感じるとき、その症状によっては様々な「心の病気」が疑われます。
放っておくと症状はどんどん悪化し、結果的に治療が長引いてしまう結果にもなりますので、早めの受診が必要です。
症状で調べる心の病気』の20回目です。
皆様に、少しでもお役立て頂けたらと思います。

【爪をかむ/頭を打ちつける/髪を引き抜く】
一見しただけでは目的のわからない特定の動作やしぐさを繰り返し行うことを「常同行動」と呼びます。
具体的には「爪をかむ」「頭を打ちつける」「髪を引き抜く」「身体を揺らす」「手を震わせる」「身体を叩く」「飛び跳ねる」「頭突き」といった行為を繰り返すことが常同行動に当たります。

常同行動は、知的障害(精神遅滞)発達障害認知症などでよく見られます。
その行為自体が、ただちに問題となるわけではありませんが、1か月以上継続し、日常生活に著しい支障をきたしたり、大けがを負った場合などは、「常同行動障害」として医療的な対処が必要になります。

なお、特に成人に見られる抜毛癖は、抜毛症と診断されることがあります。

知的障害(精神遅滞)・発達障害・抜毛症について、それぞれの詳しい症状としては、以下の様なものがあります。(●…精神症状/〇…身体症状)

<知的障害(精神遅滞)>
幼少期から知能の発達が遅れる。
●発語が遅れる、目を合わせない、名前を呼んでも反応しないなど(幼児期) ●物事を理解するのに時間がかかる ●推測したり、応用することが難しい ●初めてのことや変化が苦手 ●対人関係など、社会生活にうまく適合できず、イライラしたり、不安になったりする ●失敗や周囲からのたび重なる注意によって、自信を喪失したり、意欲を失ったりする ●自分で判断することができず、人に頼りがちになる
〇首の座りが遅い(幼児期) 〇全体に動作が遅かったり、手先が不器用だったりする(重度の場合は身体を動かせないケースもある) 〇食事、排泄、着替えなど、身の回りのことを行えるようになるまで時間がかかる 〇他の疾患(てんかんや身体障害など)を合併しているケースが多い

<発達障害>
心身の発達に問題がないにもかかわらず、行動や認知の面で、ある特定の領域に問題が見られる障害を発達障害といいます。
たとえば、対人関係が苦手だったり、特定のものへのこだわりが強かったり、極端に不器用だったりします。

発達障害のおもなものとしては自閉症アスペルガー症候群学習障害などがあります。
程度の差はありますが、いくつかの症状が重複して存在することも珍しくありません。
それらの特性は成長過程で明らかになってきます。

発達障害はなぜ起こるのか、その原因ははっきりとは解明されていませんが、遺伝子の異常が関係していることはわかっています。
また、中枢神経系に器質的な障害(組織のどこかが損傷を受ける)があり、それにより認知機能に偏りが生じて、発達障害特有の状態・行動(特性)が現れると考えられています。

発達障害の特徴は幼少期から現れてきます。
現れ方は人によってさまざまで、特徴が強く現れ、幼少期の早いうちに気づく場合がある一方、時には周囲から「少し変わった子だな」などと受け取られる程度で、そのまま成長することもあります。

障害は成長しても残りますが、症状は成長するにつれて軽快していくことも多く見られます。

文部科学省が発表した2012年の調査では、全国の公立小中学校の通常学級には発達障害(自閉症、学習障害、多動性障害=ADHD)のある児童生徒が6.5%在籍している可能性があることがわかりました。
この数字は現在ではさらに増えていると予測されます。

一般に発達障害のある子どもは、その障害の特性から、勉強や友人関係など、学校生活で困難をきたすことが少なくありません。
もし子どもの行動や言動などで気になることがあれば、不登校など二次被害を防ぐためにも、早めの対応が必要です。

保育士や教師にアドバイスをもらったり、専門の医師や臨床心理士に相談するなどして、子どもの特性にあったサポートを受けることが大切です。

<抜毛症>
まだらハゲになるまで髪の毛を抜いてしまう
●イライラしたり不安になったりすると体毛を抜いてしまう ●抜いたあとは安堵感と満足感を覚える ●よくないことだとわかっていても繰り返し抜いてしまう
〇抜毛による薄毛 〇頭皮の炎症 〇食毛による胃腸障害

癖毛や枝毛のある毛を抜くなど「髪の毛を抜く」という癖がエスカレートして、病的なレベルになることがあります。
無意識のうちに自分が感じている不安やイライラを、髪を抜くことで解消しようとしていると考えられます。
情緒が不安定なときに起きやすいともいわれています。

抜くのは頭頂部や前頭部の利き手側の髪が中心です。
やがて地肌が見えるほど薄毛になり(脱毛斑)、それが恥ずかしくて人前に出られなくなったりします。
男女比は1対9で女性に多く、思春期に発症する人が目立ちます。

髪の毛以外にも眉毛、まつげ、ひげ、脇毛、手足の毛、陰毛などを抜くこともあります。
また、抜いた毛を食べてしまう人もいます。

最初は単なる癖だと思っていても、そのうち家族がその異様さに気づくことがあります。
本人も鏡で見る自分の姿にコンプレックスを感じている場合がありますが、どうしてもやめることができません。
そこで、異変に気づいた家族が精神科などを受診させるようにします。
毛を抜く癖は病気であるとわからせることも必要です。

自分の子どもが抜毛症だと感じたら、叱ってその癖をやめさせるのではなく、原因を探るため、専門医に相談しましょう。
多くはストレスが原因ですから、子どもの家族関係や学校の対人関係での悩みを思いやることが大切です。
毛を抜いていることに気づいたときは、やさしく注意するようにしましょう。
毛を抜くこと以外にストレス発散の方法を探すことも効果があるかもしれません。

心の病気になってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。
本人がおかしいと感じること、周りの人がおかしいと感じること、そして周りの人が心の病気を十分に理解し、サポートしていくことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
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