わけもなく突然笑い出したり、しかめっ面をしたりする(症状で調べる心の病気-⑭)

症状

周囲から見ておかしいと感じるとき、その症状によっては様々な「心の病気」が疑われます。
放っておくと症状はどんどん悪化し、結果的に治療が長引いてしまう結果にもなりますので、早めの受診が必要です。
症状で調べる心の病気』の14回目です。
皆様に、少しでもお役立て頂けたらと思います。

【わけもなく突然笑い出したり、しかめっ面をしたりする】
健康なときには起こらなかった症状を「陽性症状」といい、反対に健康なときには旺盛だったものが低下する症状を「陰性症状」と呼びます。

突然笑い出すことが頻繁に起きたり、ひとり言を言うのは、妄想や幻覚など統合失調症で見られる陽性症状の影響かもしれません。

また、しかめっ面が続くなど、感情の動きが極端に少なくなるのは、統合失調症認知症で顕著な陰性症状のサインです。

このほか、薬物使用による精神障害なども疑われます。
異変に気づいたら、対処を急ぐようにしましょう。

統合失調症・薬物による障害・認知症について、それぞれの詳しい症状としては、以下の様なものがあります。(●…精神症状/〇…身体症状)

<統合失調症>
コミュニケーションが困難、幻覚や妄想が大きな特徴。

【陽性症状】
●ずっと監視されているなど、実際にはないことを確信する(妄想) ●幻覚の症状のひとつとして、誰もいないのに声が聞こえる、悪口を言われる、指図されるなどの幻聴が現れる ●考え方に一貫性がなくなったり、脈絡のない話をするなどの思考障害

【陰性症状】
●喜怒哀楽の感情表現が乏しくなるなど、感情の平板化 ●自分の世界に閉じこもり、周囲の人とコミュニケーションをとらなくなる(自閉) ●自分から何かをしようとする意欲の低下 ●集中力が続かない

【認知機能の障害】
●記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの能力に支障をきたす

<薬物による障害>
一回だけのはずが、深みにはまっていく。
●薬物の有害な使用により、一時的な陶酔感、酩酊感などを得るが、疲労感や不安感、知覚異常、意欲の減退、無気力、抑うつなどの障害が生じる ●幻覚や妄想、強迫観念などが生じる ●離脱症状として睡眠障害、抑うつ、不安、焦りなどが生じる ●薬物の摂取がほかの何よりも優先される ●薬物の効果が切れると、使いたいという欲求が猛烈に湧いてくる ●薬物の量をコントロールできなくなる ●薬物の使用を中止すると、不快な症状が現れる ●薬物を何としても手に入れようと犯罪に手を染めることもある
〇脳・心臓血管障害 〇血圧、免疫機能の障害 〇筋肉や関節の痛み 〇けいれん発作 〇食欲の増進あるいは減退 〇嘔吐 〇下痢 〇異常な発汗 〇倦怠感

<認知症>
認知症は、脳の細胞が壊れ、その機能が失われていく病気ですが、症状は、その脳細胞が果たしていた役割が失われる「中核症状」と、中核症状から二次的に引き起こされる「周辺症状」に分けられます。

中核症状
●体験そのものを思い出せなくなる ●判断力が低下する(料理の手順がわからなくなる、片付けられなくなるなど)●季節感がわからなくなる ●アナログ時計が読めなくなる ●物事を計画的に実行できなくなる ●言葉がうまく使えなくなる ●文字を書くことが難しくなる ●言葉の意味を理解できなくなる ●五感が鈍くなる ●自分がいる場所がわからなくなる ●家族の顔がわからなくなる

周辺症状
●不安、抑うつ状態 ●物盗まれ妄想 ●徘徊 ●せん妄 ●幻覚・錯覚 ●暴力・暴言 ●介護拒否 ●失禁 ●不眠、睡眠障害、昼夜逆転 ●帰宅願望 ●異食(食べられないものを食べようとするなど)●弄便(大便をつかんだり、壁などにすりつけたりする

心の病気になってしまうということは、誰にでも起こり得ることです。
本人がおかしいと感じること、周りの人がおかしいと感じること、そして周りの人が心の病気を十分に理解し、サポートしていくことが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史