統合失調症について/5.統合失調症の治療-② リハビリテーション【SST(生活技能訓練)-2】

心の病気

●SSTの具体的な方法

SSTは、一般的にはグループによるロールプレイ(役割演技)方式で行われます。
ロールプレイとは、日常生活で起こる課題(場面)を、その場の参加者たちが役割を演じることで、課題を解決するための手がかりを探っていくという方法です。
「役割を演じる」という疑似体験を通して、設定された課題が実際に起こったとき、それに適切に対応できるようにする学習方法で、次のような学習効果が期待できます。

■自分で考えて行動することで、問題を解決する方法を学ぶことができる。
■自分の行動や感情の特徴をつかむことができる。
■相手の感情や人間関係のパターンなどについて、さまざまな「気づき」が得られる。
■望ましい言動や取るべき対応を事前に試すことができる。
■ふだん経験したことのない新しい役割を体験することができる。
■さまざまなやりとりを通じて、状況の変化をつかむことができる。

ロールプレイは、次のように進められるのが一般的です。
①説明…ロールプレイのやり方や目的などを説明します。
②ウォーミングアップ…気楽に演技が行えるような雰囲気をつくります。
③課題設定と役割の決定…練習する課題(場面)を設定し、メンバーの役割を決めます。課題は、メンバーの実際の生活状況に近いほうが、練習する本人のためになり、実際の生活場面での成功率も高くなります。
④実演…シナリオ通りに演じたり、即興的(自発的)に演じたりします。やり直したり、くり返したりしながら、問題解決の方法を発見し、また感情や思いに気づきます。ロールプレイは、あまり長くやる必要はなく、短くてかまいません。
⑤シェアリング…練習が終わったら、気づいたり感じたことをいい合います。ポイントは、できるだけ具体的にメンバーの「よかったところ」を見つけてほめることです。これを「正のフィードバック」といいます。そして、どうすればよくすることができるか、「改善点」を話し合います。同席しているリーダーが、もっとうまくいくためのアドバイスをすることもあります。
⑥もう一度実践する(再ロールプレイ)…改善点に注意しながら、再度練習します。
⑦さらによくなった点をほめます。

●実際の場面でできることが大切

ロールプレイから学ぶことは、うまく役割をこなすことではなく、相手の考えや感情を理解し、人とどのようにかかわればよいかを知ることです。
そして、学んだことを、実際に日常生活の中でやってみることが大切です。

また、ロールプレイで注意しなければならないのは、練習したメンバーの行動について批判や非難はしないということです。
悪い点を指摘してしまうと、指摘された人は自信をなくし、萎縮してしまうからです。
悪かった点を指摘するのではなく、「こうすれば、もっとよかった」という点を強調するようにします(たとえば、「話しかけるとき、相手の目を見ていったほうがもっといいと思う」など)。

SSTは、「人間は、社会の中で、他人の言動を観察することによって学び、自分自身の言動をかえていく」という社会学習理論を基盤としているので、直接練習をしなかったメンバーも、SSTのグループに参加し、ほかの人のロールプレイを観察しただけでも効果があるとされています。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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