統合失調症について/5.統合失調症の治療-② リハビリテーション【認知機能リハビリテーション】

心の病気

●できるだけ早く認知機能のリハビリをはじめる

認知機能とは、人間がものを認識(知覚)するための知的な機能や能力のことで、記憶力、判断力、集中力、実行力、計画能力、統合能力、問題解決能力などが含まれます。
統合失調症になると、これらの機能が低下し、日常生活や社会生活を送る上で大きな障害となります。
統合失調症の患者さんが感じる「生きづらさ」は、この認知機能障害と深くかかわっており、近年では、認知機能障害は統合失調症の中核的な症状と考えられているほどです。

統合失調症は、妄想や幻聴といった陽性症状が注目されがちですが、これらの症状は薬物療法で改善が可能です。
一方、集中力の欠如や短期的な記憶力の低下といった認知機能障害は、薬物治療がむずかしい上に、日常生活や就労への影響も大きいので、リハビリがきわめて重要です。
薬物療法で症状が落ち着いたら、できるだけ早い時期に認知機能リハビリテーションを行うことが必要です。

●パソコンを使った認知機能トレーニング

認知障害そのものの改善をねらったリハビリテーションとして、最近注目されているのが、コンピュータのソフトを使った認知機能リハビリテーションです。
その中で、ドイツで高次脳機能障害を持つ患者さんのリハビリテーションとして開発された「CogPack(コグパック)」というコンピュータソフトは、米国などで統合失調症を持つ人のリハビリテーションにも利用され、大きな成果を上げています。

米国の調査では、認知機能リハビリテーションを行うことで、柔軟にものごとを考えられるようになったり、記憶力が改善したと報告されています。
日本でも、日本語版の「コグパック」を帝京大学の研究班などが開発し、2011年度から全国7ヵ所で検証中ですが、まだ実用段階ではありません。
「コグパック」は、画面上の複数の文字から同じ文字の組み合わせを探したり、複数の絵を見てどれだけ記憶しているかを試したりする約50種類のゲームのセットです。
集中力、短期記憶、実行機能など、それぞれのゲームの目的が明確で、どの機能が低下していて、どの程度向上したかがわかりやすいという特徴があります。
ゲーム感覚で問題をくり返し行うことで、認知機能を徐々に回復させることができます。

パソコンを使った認知トレーニングのメリットとしては、次のような点があげられます。
■パソコンによるトレーニングなので、個々人の能力や興味に合わせやすい。
■人間関係が苦手な人でも力を発揮することができる。
■特定の認知機能に特化して、集中的なトレーニングを行うことができる。
■ゲームの世界でのトレーニングなので、うまくいかなくても自信を失うことが少なく、どうしたらうまくいくのかを具体的に話し合いやすい。
■課題達成への道筋が明確で、特徴が見えやすい。

なお、コンピュータソフトを使わずに、グループで行う認知機能トレーニングもあります。
グループで行うトレーニングは、楽しくできる反面、人と接することが苦手な患者さんには苦痛となるおそれがあります。
そういう場合は、個人でコンピュータを使った方法のほうが適しています。

奈良 心理カウンセリングルーム
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