統合失調症について/5.統合失調症の治療-② リハビリテーション【認知行動療法-2】

心の病気

●陰性症状だけでなく、陽性症状にも効果がある

統合失調症の場合、急性期の陽性症状がおさまると、「感情の平板化」「意欲の減退」「集中力・持続力の低下」「自発性・自主性の低下」などの陰性症状が前面に出てくることが多くなりますが、こうした陰性症状の改善に、認知行動療法は有効です。

また、抗精神病薬による治療を十分に行っても、なお持続する幻覚や妄想などの陽性症状に対しても、認知行動療法は効果があるといわれます。

幻覚や妄想に対する認知行動療法では、①幻覚や妄想を誤った信念からくる病理現象ととらえる、②陽性症状によって引き起こされた苦痛や自尊心の低下を改善させることによって陽性症状に間接的に影響をあたえる、③病気や治療に関する理解を深め対処法を学ぶ心理教育を重視する、の3つの原則が重要であるといわれます。

●認知行動療法の実際の進め方

認知行動療法は、治療者と患者さんとの対面式の面接が中心で、面接は、原則として週1回で10~20回行いますが、患者さんの状態に合わせて延長する場合もあります。
また、場合によっては、フォローアップ面接を行うこともあります。

認知行動療法では、「ホームワーク(宿題)」といって、面接で話し合ったことを実生活で検証しながら、認知の修正をはかることが必須の課題となります。

治療の具体的な方法を以下に簡単に記してみます。

【1】患者さんの悩みや問題点、強みや長所などをピックアップして治療方針を立て、それを患者さんと共有しながら面接を進めていきます。
【2】行動的技法を用いて、生活のリズムをつくっていきます。その際に、毎日の生活を振り返り、活動内容を次の3つに分類します。
①日常的に行う決まった活動
②優先的に行う必要のある活動
③楽しめる活動や、やりがいのある活動

これらの活動に優先順位をつけて、行動を徐々に活性化していきます。
特に、楽しめる活動や、やりがいのある活動をふやしていくことは効果的です。
また、一定の身体活動や運動を行うことで、自信やコントロール感覚を取り戻し、ほかの人とのかかわり体験を持てるようにしていったり、問題解決技法を使って症状に影響していると考えられる問題を解決していったりして、適応力を高めていくようにします。
【3】自動思考に焦点をあて、なぜそう思うのか、その根拠と反証を検証することによって、考え方のかたよりや認知のゆがみを修正していきます。

最後に、治療全体を振り返り、変化した点とその方法を確認します。
再発を防ぐために、今後の課題や症状が悪化したときの予防法などを話し合います。

認知行動療法は、うまく実践できれば、症状の改善に有効なだけでなく、認知のゆがみを修正することで、再発防止にも役立ちます。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

心理カウンセリングルーム ナチュラリー. では、「来訪・訪問カウンセリング」、及び、電話・ビデオ通話・メールによる「ネットカウンセリング」と、豊富なメニューを揃えております。
遠方の方におかれましても、どんなお悩みでも、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。

●来訪・訪問カウンセリング http://mental-naturally.com/visit/
●ネットカウンセリング   http://mental-naturally.com/internet/