統合失調症について/4.統合失調症の治療-① 薬物療法【抗精神病薬の効果と種類-1】

心の病気

●薬物療法の中心は抗精神病薬

統合失調症の治療薬の中心となるのは「抗精神病薬」です。
ほかに、「抗うつ薬」「抗不安薬」「気分安定薬」「抗パーキンソン病薬」「睡眠導入剤」など、補助的に使われる薬があります。

抗精神病薬は、幻覚や妄想を抑えたり、興奮を抑える作用があり、メジャートランキライザー、強力精神安定剤とも呼ばれます。
精神障害の治療薬を一般に「向精神薬」といいますが、抗精神病薬は、向精神薬の中でももっとも強力な精神安定作用を持つ薬です。

抗精神病薬は、1950年代以降につくられた第一世代の「定型抗精神病薬」と、主に1990年代以降に発売された第二世代の「非定型抗精神病薬」に大きく分けられますが、現在日本では、あわせて約30種類の抗精神病薬が認可されています。
ただし、30種類の抗精神病薬をすべてそろえている医療機関はそれほど多くなく、ほとんどの医師は、自分の経験や、内外からの論文から得られた情報をもとに、その患者さんにもっとも効くと思われる薬を選んで処方しています。

●抗精神病薬が効くメカニズム

抗精神病薬が統合失調症に有効であることは、医学的にも証明されています。
臨床試験では、統合失調症の患者さんの約70%に症状(陽性症状)の改善が見られると報告されています。
これは、肺炎に対するペニシリンの効果、または結核に対するストレプトマイシンの効果に匹敵するものです。

抗精神病薬にはさまざまな種類がありますが、それらに共通した作用は、ドーパミンの情報伝達を抑える作用です。

脳内では、情報をやりとりするために、多くの「神経伝達物質」が分泌されていますが、ドーパミンもその一つです。
ドーパミンは、注意、意欲、感情、運動調節といった人間の大切な機能をつかさどる物質で、その過剰な分泌、あるいは機能低下が、統合失調症の陽性症状や陰性症状を引き起こすとされています。
抗精神病薬は、このドーパミンを受け取る部分(ドーパミン受容体)と結合して、ドーパミンの作用をブロック(遮断)することにより、統合失調症の症状を起こりにくくすると考えられています。

●第一世代の定型抗精神病薬

第一世代の定型抗精神病薬には、次のような効果があります。

■陽性症状の改善
抗精神病薬は、特に陽性症状に効果を見せます。
幻覚や妄想、思考障害、作為体験といった症状を改善、あるいは軽減する働きがあります。

幻覚や妄想を抑える作用が強い薬としては、ハロペリドール(商品名:セレネース)フルフェナジン(商品名:フルメジン)があります。

■鎮静作用
精神運動障害に代表されるような、興奮、衝動性、攻撃性、不安、焦燥などに対して鎮静作用があります。
統合失調症の患者さんに、抗精神病薬の効果についてたずねた調査では、「不安感や恐怖感がやわらいだ」という答えがもっとも多かったと報告されています。

興奮や混乱を抑える作用が強い薬としては、クロルプロマジン(商品名:コントミンなど)レボメプロマジン(商品名:ヒルナミンなど)があります。

■精神機能賦活作用
意欲や活動性を高め、感情鈍麻、無為・自閉などの陰性症状を改善する効果があります。
ただ、意欲回復効果はすべての人に見られるわけではなく、全体の20%程度とされています。

意欲や活動性を高める作用が強い薬としては、スルピリド(商品名:ドグマチールなど)があります。

■再発を防ぐ効果
抗精神病薬を飲みつづけることで、病気の経過をよくし、再発を防ぐ効果があります。
逆に、薬を勝手にやめると、再発率が非常に高くなります。

⇒「2」へつづく

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