トラウマについて/4.「今」への影響を変える心理療法【代表的な心理療法②】

心の病気

EMDR/記憶の「適応的情報処理」を進める

左右の脳を交互に刺激しながら記憶をたどり、トラウマ記憶の処理をはかります。
PTSDに対するエビデンスのある心理療法であり、さまざまなストレス・トラウマ関連障害に対する汎用性が高い治療法です。

●「両側性の刺激」が「適応的情報処理」の鍵

ネガティブな記憶に対しては、通常、そのときの状況を思い出したり、人に話したり、夢に見たりするなかで、新しい理解や意味づけがおこなわれていきます。
「しかたがなかった」「自分は悪くなかった」などという「適応的な意味づけ」がなされることで、普通の記憶として処理されていきます。

ところがトラウマ記憶は、あまりに強大であるために処理が進みません。
これを促すのがEMDRです。
トラウマ記憶がよみがえっているとき、左右の脳の働きのバランスは崩れています。
「目を左右に動かす」という両側性の刺激で脳のバランスが改善し、情報処理が進むのではないかと考えられています。
眼球運動だけでなく、左右交互の触覚刺激(タッピング)や聴覚刺激などでも、同様の効果が期待できます。

■EMDRの進め方

EMDRは、眼球運動やタッピング(触覚刺激)など、「身体への両側性・交互刺激」を用いて、体が本来もつ自然治癒力とも関連する適応的情報処理を進めます。
「いやな感じ」を減らすだけでなく、新たに肯定的なイメージや、適応的な考え方をもてるように促すのも大切なポイントです。

①聞き取り
●生育歴・病歴などの確認

②準備
●安定した治療関係の確立と心理教育
●セルフコントロール技法の学習

③現状のアセスメント
●どのような苦痛、思考、身体感覚があるかの確認

④トラウマに関連するイメージの再処理
●治療者の指示に従い、トラウマ体験時のいやなイメージや、否定的な考えなどを思い浮かべながら、治療者が左右に動かす指の動きを目で追う
●いやなイメージを思い浮かべたときの感情が改善していく

⑤肯定的なイメージを植えつける
●いやな感じが完全になくなったら、治療者の指示に従って肯定的なイメージや考えを思い浮かべる

⑥身体感覚の確認
●緊張や不安がないか確認し、あったらさらに処理を進める

⑦終了
●治療を終え、日常に戻る準備をする

⑧再評価(次回以降)
●前回終了後の症状を確認したうえで、治療計画を立てる

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

心理カウンセリングルーム ナチュラリー. では、「来訪・訪問カウンセリング」、及び、電話・ビデオ通話・メールによる「ネットカウンセリング」と、豊富なメニューを揃えております。
遠方の方におかれましても、どんなお悩みでも、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。

●来訪・訪問カウンセリング http://mental-naturally.com/visit/
●ネットカウンセリング   http://mental-naturally.com/internet/