摂食障害について/④家族がつくり出す悪循環から抜け出そう!【だれよりも不安なのは患者本人であることを認めよう】

心の病気

●家族の不安が本人に与える影響

摂食障害の人の家族は、いろいろな形で自らの不安を患者さんにぶつけてしまいます。
例えば、「いつまでこんな状態が続くの?」「こんなことを続けていて身体は大丈夫なのかしら?」「親もいつまでも支えられるわけじゃないし……」などと不安を患者さんに直接話すこともありますし、不安のあまり、行動を変えようとしない患者さんにイライラした態度を向けることもあります。

このようなすべての言動が、治療にとってはマイナスの効果を生みます。

何といっても、摂食障害は不安の病です。
だれよりも、「いつまでこんな状態が続くの?」「こんなことを続けていて身体は大丈夫なのかしら?」「親もいつまでも支えられるわけじゃないし……」と心配しているのは、患者さん本人なのです。

その不安から逃れようとして、「拒食」や「過食」にしがみつく、という悪循環に陥っているのです。
そこに、家族が自分の不安を上乗せしてしまうと、患者さんは不安をさらに募らせ、家族を不安にさせている自分に罪悪感を抱き、と、どんどん病気を悪くするエネルギーをため込んでいくことになります。

●不安を減じれば摂食障害には治療効果があることを常に覚えておく

もちろん、家族の病気は不安の種です。
私は、ご家族に「不安になるな」といいたいわけではありません。
しかし、病気を治すということを考えれば、家族としてすべきことも自ずと決まってきます。

例えば、明日は難しい手術を受けるという家族がいたとして、「明日の手術がうまくいくかどうか心配だ」「失敗したら命の保証はできないんですって。失敗したらどうしよう」「あなたのことが心配すぎて、具合が悪くなりそうだわ」などと自分の心配を本人にぶつけるでしょうか。
普通はしませんよね。
なぜならば、だれよりも手術に不安を感じているのは、本人だということがわかっているのだし、手術が失敗したら命を失うのは本人だからです。
また、不安をあおると心身の状態が不安定になり、手術にも悪い影響を与えるだろうことがわかるからです。

摂食障害も同じく病気です。

そして、患者さん本人は治療の専門家でも何でもありませんから、難しい手術を受ける人と同じように、「自分は大丈夫なんだろうか……」という強い不安を感じています。
ご家族の対応も、ぜひ、難しい手術を受ける人と同じようにしていただきたいと思います。
「何もできないけれど、一緒にいるからね」「不安でしょうね。話して楽になるのなら、何でも話して」「結果がどうなっても、家族は一緒だからね」というようなメッセージを発していただければ、患者さんの不安もかなり和らぐと思います。

そして、手術と違って、摂食障害の場合は、不安を和らげることそのものに、本質的な治療効果があるのです。
ご家族が正しい理解をする価値は十分にあるといえます。

奈良 心理カウンセリングルーム
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