③感情を活用して摂食障害から抜け出そう!【感情を指標にして現状を変えよう】

心の病気

摂食障害の人の感情は、そのまま治療的変化を起こすことにつながる材料の宝庫です。
一つひとつを吟味していくことによって、どんな変化が必要か、ということがよくわかるようになります。
これは、対人関係療法がもっとも得意とするところです。

対人関係療法では、すべての対人ストレスは、「自分が相手に期待していることと、相手が現実にやっていることが違う」「相手が自分に期待していることと、自分のやりたいことが違う」という「役割期待のずれ」として見ます。
人との間の怒り・罪悪感・不安という、特に「過食」につながる感情は、すべてが「役割期待のずれ」から起こってくるといっても過言ではありません。

例えば、怒りを感じたときには、その発端がどこだったかをよく思い出し、それがだれかとのやりとりだったのであれば、その中で、本当は相手にどうしてほしかったのか、実際に相手がしたことは何だったのか、ということをよく考えていきます。

だれかとの会話が発端だったのであれば、その会話全体をシナリオのように再現してみると、とてもわかりやすくなります(コミュニケーション分析と呼ばれる技法です)。
そのやりとりの中で、自分は相手にやってほしかったことをどのように伝えていたのか、相手はそれに対してどのように応えていたのか、ということを見ていくのです。

この作業を通してわかってくることは、「自分が相手に期待していることは、そもそも相手にとって可能なことなのだろうか」「相手は本当にそんなことを自分に期待しているのだろうか」「そもそもちゃんと伝わっているのだろうか」ということです。

相手が自分の望んだことをやってくれないのは、自分のことなどどうでもよいからではなくて、そもそも「できない」からなのではないか。

相手から期待されていることが重くて苦しいけれども、そもそも相手はそんなことを期待しているわけではないのではないか。

自分のいいたいことは伝わっているはずだと思い込んでいたけれども、そもそも相手にはきちんと伝わっていなかったのではないか。

だから相手はこちらのストレスになるような言動をとるのではないか。

相手のいいたいことはわかっていると思い込んでいたけれども、そもそも相手がいいたいのはそういうことではないのではないか。

そのように、いろいろな観点から相手との関係を見ていけるようになったら、相手に確認して、学びを深めていけばよいのです。
相手とのそのような「ずれ」は、日常的に繰り返されていることが多いものですから、何回か練習していけば、かなり大きな効果を得ることができます。

このようなプロセスを踏むと、結果として、相手の言動が本当に変わることもあります。
また、相手はあまり変わらなくても、自分がそれを見る目がずっと変わるということもあります。
恋人や夫婦の場合には、どうしても期待が折り合わないということに納得して、平和な別れを迎えることもあるかもしれません。

いずれの場合でも、「現状」は、ネガティブな感情を生産し続ける状況からは変化するのです。
新たな状況が直接ポジティブな感情を生み出すこともあれば、自分が現状を変えたいという達成感から自分に対してポジティブな感情を持てるようになることもあります。
自分が状況をコントロールしたという気持ちは不安を減じますし、「自分でも変化を起こせる」ということは、自分を嫌う気持ちを減じるのです。

なお、ネガティブな感情を利用して現状を変えるというのは、どんな相手に対しても以上のような手続きを踏むということを意味するわけではありません。
身近な人に対しては、きちんと向き合ってやりとりしていくのがよいですが、世の中には「避けてもよい人」がいます。

ある程度距離のある人で、親しくなる必要がない人の場合、そして、近づくと振りまわされてしまうというようなタイプの人の場合などは、避けることが「現状を変える」という意味になるでしょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
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