②摂食障害の悪循環から抜け出そう!【「病気が治ることが怖い」悪循環から抜け出そう-2】

心の病気

●「拒食」が治るときの怖さ

「過食」が治ることは、そのまま自己満足感につながっていくことが多いのですが、「拒食」の場合はそうもいきません。
何しろ、体重が増えるという恐怖に直面しなければならないからです。

拒食症、特に過食をともなわない拒食症の人は、かなり明確にこの時期を通ります。
精神的に安心してくると、それまでは「拒食」へのしがみつきによってあまり感じることのなかった健康な食欲が再び感じられるようになってくるのです。
とても食べたくなり、本人にとってはかなり多い量(「過食」の量とは比べものになりませんが)を食べるようになります。
これは、多くの患者さんをパニックに陥れます。

そこでの怖さは、「体重が増えてしまう」ということだけでなく、「この先どうなるのだろう?」というところに本質があるように思います。

回復期の人は、基本的には病気を治す必要性もわかり、本質的なレベルでは病気を治すことに同意しています。
その際に、例えば、「これから体重が増えますよ。月に1キロずつ増えていって、10ヵ月で止まります」と明確にされていれば、それほどの恐怖はないでしょう。
もちろん10キロ増える体重を受け入れなければならないという恐怖は残りますが、見通しが立つということは、不安を大きく減じるからです。

しかし、実際の回復期には、見通しが決まっているわけではありません。
1キロずつ増やそうとコントロールしようとしても、この時期には飢えへの反応としての過食が起こっているわけですから、その分量を正確にコントロールすることなどできません。
また、トータルで振り返ってみれば、「この1ヵ月、結局は1キロしか増えませんでしたね」ということになる場合でも、食べている最中は、「今度こそものすごく増えてしまうのではないか」という恐怖にさらされ続けます。
そして、その恐怖の先にあることが多いのは、「このままどんどん体重が増えていって、ブクブクに太っても止まらないのではないか」というイメージです。

実際には、体重増加は止まります。
体重が増加する勢いが弱い人は、ゆっくりと亀のような歩みで標準体重圏に入っていき、自然に収束していきます。

一方、体重増加の勢いが強い人は、いったん体重が少し多めになってから、日常生活の中で本来の体重まで下がってきます。

後者のほうが本人の恐怖感は強くなりますが、全体を早く終えることができ、早く健康な生活に戻ることができます。
これは、中高生など若い患者さんに比較的多く見られるパターンです。

いずれにしても、「拒食」が治るときには、「恐怖を感じざるを得ない回復期」を通る必要があります。
その経験はだれも代わってあげられないのでお気の毒なのですが、少なくとも、
⑴そういう時期があるということをあらかじめ知っておき、自分に何が起こっているかを把握しておく
⑵回復期は、健康に向かう変化であり、終わりがあるということを知っておく
⑶この時期の不安は当然のこととして、周囲にサポートしてもらう

という点を押さえておくことで、いたずらに不安が不安を呼ぶ構造を防ぐことができます。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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