②摂食障害の悪循環から抜け出そう!【「病気が治ることが怖い」悪循環から抜け出そう-1】

心の病気

●病気が「治る」ことのイメージを決める

摂食障害の人は、病気で苦しんでいるというのに、治ることについて決して積極的ではありません。
「治りたくない」とはっきりいう人もいますし、治る方向に話が進むと症状が悪くなる人もいます。
そもそも、なかなか治療の場に足を向けてくれません。

これはむしろ当然のことです。
「拒食」にしろ「過食」にしろ、現実生活(「拒食」の場合は、それまでのやり方が通用しなくなった状況。「過食」の場合は、自分を嫌いだという気持ちが強まる状況)と何とか折り合いをつけるための形として病気が起こってきたのです。
そのままの状態で病気がただ治ってしまったら、苦しい現実生活に再び直面することになります。
意識的にしろ無意識にしろ、治りたいと思わないのが当然です。

摂食障害を治すということは、「症状をなくす」という意味ではなく、「症状がなくても現実生活をそれなりにやっていけるようになること」と定義すると、だいぶ雰囲気が変わると思います。
実際に、摂食障害がその場しのぎではなく本当に「治る」ときには、そういう変化が必ず起こります。

●摂食障害の症状は松葉杖

摂食障害の症状は、松葉杖のようなものです。
足を骨折してしまったときには、松葉杖がなければ歩けません。
骨折が治っていないのに松葉杖だけを奪い取ろうとしても、必死の抵抗に遭うのは当然です。
無理やり症状をなくすタイプの「治療」が、かえって事態を悪化させるのは当たり前のことだといえます。
松葉杖は、骨折が治るまでは手放すことはできません。

松葉杖にはもうひとつの意味があります。
骨折していても、杖があればいろいろと歩けるということです。
摂食障害の人の中には、病気になって初めて周囲につらさを気づいてもらえる人が少なくありません。
多くのご家族が、「ずっとそんな思いをしてきたなんて……」「手のかからない子だと思って、あまり目を向けてきませんでした」「むしろ気の強いわがままな子だと思って、もっと厳しくしつけるべきだったと思っていたんです」などと述懐するものです。

以前述べたように、摂食障害になる人は基本的に自分の気持ちを話さないタイプが多いので、家族にすら誤解されていることが大部分なのです。
本当はつらいのに、ひとりで抱え込み、だれにも気づいてもらえない、という状況でゆきづまったときに摂食障害が発症してきます。
病気になって初めて、周囲は「この子(人)は何かの問題を抱えている」ということに気づくのです。
そして、病気の治療という環境を与えられれば、周囲もそれまでのパターンを見直しやすくなります。

患者さん自身は自己主張ができなくても、症状がかなりの程度、自分の苦しさを代弁してくれます。
それまで足を踏み入れたことがなかった領域に踏み込めるという意味でも、摂食障害の症状は松葉杖なのです。
せっかく松葉杖を手にしたのですから、できるだけ遠くまで歩いて、新しい人生を手に入れたいものです。

奈良 心理カウンセリングルーム
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