①摂食障害は治る病気です【摂食障害のタイプによる「治りやすさ」の違い】

心の病気

摂食障害はいずれも治る病気ですが、放っておいて治る病気でもありません。
きちんとした治療を行った場合、「拒食」「過食」それぞれに治るための時間が必要だと考えたほうがよいでしょう。

つまり、「拒食」だけの人や「過食」だけの人は比較的早く治りますが、「拒食」と「過食」の要素を両方とも持っている人の場合は、治るのにそれだけ時間がかかります。

その典型的な例が過食をともなう拒食症の人です。
摂食障害の4つの分類の中では治るのにもっとも時間がかかることが知られています。
これは当然のことで、「拒食」と「過食」という2つの病気をフルに持っていると考えれば、それだけ治療にも時間とエネルギーが必要だということになるでしょう。
効果的な治療を行っても年単位で考える必要がありますし、10年以上病気が続いているという人もめずらしくありません。

一方、「過食」だけ、というのは、正確にいえば「むちゃ食い障害」が該当しますが、過食症の中でも治りやすいのは、過食以外に普通の食事を摂っている人です。
対人関係療法は、症状にはまったく手をつけない治療法ですし、例えば16回という治療契約の中で過食がなくなることは目指さないのですが、過食以外に普通の食事をとっている過食症の人は、16回で治ることも少なくありません。

同じ過食症でも、過食以外にはカロリーのあるものを食べていない、というケースでは、「拒食」の要素が相当強いということになりますので、それだけ回復に時間がかかります。

これらは、病気が治るまでにかかる時間のことであって、いずれも治るということに変わりはありません。

●治療を受けないとどうなるか

以上は適切な治療を受けた場合の話ですが、摂食障害は、放っておくだけでは治らない(むしろ悪循環に陥っていく)病気であると同時に、正しい知識を自分と周囲が持つだけでかなりプラスの効果がある病気でもあります。

ときには、結婚などが契機になって摂食障害が治ったという人もいらっしゃいます。
そのような人は、配偶者との関係の中で安心できたことが「自分を嫌いな気持ち」を和らげる効果を持ったのだろうと考えられます。
この場合、摂食障害である自分も含めてすべてを受け入れてもらうことが必要であり、単に結婚すれば治るというものでもありません。

また、「拒食」の場合には、何らかの形で安心が確保できると徐々に治っていくこともあります。
例えば、学校や職場などの環境が変わり、自分のペースで物事を進めても大丈夫だということが確認できると回復に向かうということもあります。

●役に立つ治療かどうかを見極める

残念ながら摂食障害の専門家は日本にはあまりいませんし、「治療」という名のもとにむしろ有害なことをしている治療者すらいるのが現実です。
治療者から「わがまま病」といわれたことが深い心の傷になっている人もいますし、脅かすような治療を受けて追いつめられ、命を落とした人すらいます。

専門家でない当事者の皆さんには、どの「治療者」が適切であるかはなかなかわかりにくいと思います。

ひとつの判断基準として、その治療者と接しているときに自分が安心するかどうかを指標にするのもよいと思います。
安心できない治療者のもとではプラスの変化を起こすのは難しいでしょう。
摂食障害の専門家でない治療者であっても、人間として安心を感じられる人であれば、そこに通院をしながら、専門書などを読んで摂食障害についてご自分で学んでいただくことでもかなりよくなると思います。

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