社交不安症について/7.そんなにつらいなら医者に行こう【④「専門家にまかせること」と「自分でやること」】

心の病気

【つらくても大丈夫な心の状態を作る】

心の問題なのに薬に頼るということは、抵抗感を持つ人が少なくありません。
また、長期に渡って服用しなければならないので、薬に依存することになりはしないかという不安もあります。

これに対しては、専門家である医師を信じてその指示に従うことです。

とはいえ、いつまでも薬に頼ることはできません。
セラピストに頼り続けることもできません。
専門家の援助から自立しなければなりません。
そして、それがそもそも治療の目標です。

また、治療が目指すのは、不安をなくすことではありません
不安を軽減して、不安になっても耐えられる、つらくとも大丈夫、という心の状態を作ることです
これによって、不適切な回避行動をしないで、生活に支障がなくなるようにすることです。

ですから、自分でも社交不安を克服する努力が求められます。
自分で社交不安に耐える力が求められます。

このことを、しょっちゅう風邪をひく人の例で考えてみましょう。

熱が40度あるなどひどい風邪なら、医者に行く必要があります。
しかし、ちょっとした鼻風邪程度なら、休養するなり、しょうが湯を飲むなどして、自力で治す必要があります。
また、食生活の改善や身体を鍛えるなどして、免疫力を高め、風邪をひきにくい体質に改善することが求められます。

これと同じように、社交不安のつらさは専門家によって完全に解決されるものではありません。
自力で対処できるようにする努力が必要なのです。

本ブログで紹介したいろいろな技法は、このために役立つものです。

【社交不安でも医学的治療が必要な人は少ない】

ところで、先の「精神疾患の診断・統計マニュアル」には、次のような文言があります。
「ある研究では、人前で話したり行動したりすることに強い恐怖を20%の人が報告していたが、社会恐怖(社交不安障害)と診断できるほどの障害または苦痛を体験しているのは、約2%に過ぎなかった」

つまり、自分では社交不安が強く治療が必要だと思っても、実際に医学的治療が必要な人ははるかに少ないということです。

また、社交不安障害として安易に薬に頼るようになることに対する危惧の声があることも指摘しておきます。

たとえば、ノースウェスタン大学教授のクリストファー・レーンは、恥ずかしがり屋で内気なことを性格ではなく、社交不安障害という病気だとしてしまうことに疑問を呈しています。
また、副作用や長期服用による薬への依存および製薬会社のコマーシャリズムと結びついていることへの懸念を指摘しています。(C. レーン著、寺西のぶ子訳「乱造される心の病」河出書房新社)。

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