社交不安症について/4.この心で乗り切ろう【⑥論理療法の実践例-2】

心の病気

【「べき思考」の三つのタイプ】

エリスによれば、とりわけストレスを引き起こしやすい信念条件は、「べきだ」という思い込みです。

代表的な「べき思考」は三つのタイプに分けることができます。

●タイプ-1「私はきちんとやるべきだ。そうでないと嫌われてしまう」
このタイプの「べき思考」は完璧主義的傾向を生み出し、その結果、不安や自己嫌悪など不快な感情を生じさせます。

きちんとやることは望ましいことですが、それをやらないからといって、人はあなたを嫌うわけではありません
その証拠に、いい加減でも好かれる人がいますし、きちんとやる人でも煙たがられている人がいます。

自分なりにやればいいのです。
それで、人が嫌うことはないのです。

●タイプ-2「他の人は私に親切にすべきだ。そうでなければ、ひどい人たちだ」
このタイプの「べき思考」は、いらいらや、怒り、妬みなどのストレスにつながります。

例として、「相手が自分勝手な人なので」ストレスを感じている事例を考えてみましょう。
この場合、あなたが、「相手も自分と同じ価値観を持ち、(私に親切に感じられるように)行動すべきだ」と思い込んでいるからストレスなのです。
別な人なのだから、別な価値観で別な行動をして当たり前。
そう発想を転換すれば、その人のやり方でやっているだけであり、「自分勝手」という受け取り方が思い込みであることがわかります

このように、他の人も「自分と同じように感じるべきだ」「同じように考えるべきだ」などと、思い込んでいるからストレスになるのです。

自分が被害者のように感じているのですが、実際には「べき」思考によって、あなたこそ他の人の心をコントロールしようとしてしまっている結果なのです。
自分と正反対の感じ方をし、正反対の欲求を持ち、正反対の考え方をする人がいるという事実を忘れずに、それはそのまま受け入れることです。

●タイプ-3「この世界は公平で生活は快適であるべきだ。そうでないならこの世界はひどい所で私は不幸だ」
この「べき思考」を持っていると、いたずらに世の中を恨んだり、妬んだり、劣等感に落ち込んだり、自分を哀れに感じたり、絶望したりすることになります。

この世界が公平で、生活が快適であることが望ましいのは、いうまでもありません。

しかし、公平であるべきといっても、それぞれ生まれた家庭環境が違い、スタイルや容貌が違い、能力が違うのは紛れもない事実です。

公平であって欲しいという願望を「公平であるべき」という思い込みに変えてしまっていることがストレスを生むのです

また、いつでも自分だけが快適であることなどあり得るはずがありません。
誰にでも楽しいことがあり、つらいことがあります。
誰もが喜んだり悲しんだりしながら日々を送っているのです。
自分の生活がいつでも快適で、幸福でなければならないというのは自己中心的で尊大な思い込みでしかないのです

このように、「べき」思考によって心を乱されるのは、あなたの勝手な一人芝居に過ぎません。
他人も世界も自分の思い通りにコントロールすることなどできません
コントロールできるのは自分の心と行動だけです

自分の「べき思考」に気づいて、徹底的にそれに反論をすることで、多くのストレスから解放され、明るい気持ちで生活を送れるようになります。

現在では、ベックの認知療法とエリスの論理療法が融合され、それを認知療法と呼んでいることがあります。
また、認知療法と、後に述べる行動療法とを統合的に用いるといっそう有効です。
この場合には認知行動療法と呼ばれています。

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