社交不安症について/4.この心で乗り切ろう【⑥論理療法の実践例-1】

心の病気

「同僚に仕事を頼んでおいたのに、期日までにやってくれなくて、結局自分が徹夜で仕上げることになってしまった。
私を困らせるために意地悪したのだと、その人の顔を見るたびに不愉快になってしまう。
そんな状態が続いて、その同僚と気まずい関係になっている」

この事例をもとに、実際の適用法を説明します。

●A:出来事、事実をあげる
「木曜日までにと頼んでおいたのに、やってくれなかった」

●B:暗黙の思い込みを明らかにする
「あんなにしっかりと頼んだのだから、忘れるなんてあり得ない。だから、私を困らせるためにわざとしなかったのだ」

●C:結果を明らかにする
「意地悪されてくやしい」

●D:暗黙の思い込みに反論する
「忘れることはあり得ない」というのは独断です。どんな人間でも忘れることはありえます。百歩ゆずって「忘れることはあり得ない」としても、だから「困らせるために」というのは単なる憶測に過ぎません。

別な可能性がいくらでもあります。気になりながらも忙しさに紛れてできなかったのかもしれません。相手の人が人生上の大きな問題を抱えて仕事が手につかなかったのかもしれません。頼まれた仕事が気が重くて、つい延び延びになってしまっただけかもしれません。

こうした可能性を無視して「困らせるためにわざとした」というのは思い込みに過ぎないのです。その誤った思い込みが「くやしい」という感情を生んでいるのです。

さらにいえば、「わざとやられたから、くやしい」と自分の心を負の感情で満たすことも必然的な結びつきではありません。なぜなら、「わざとやられた」から「心の狭い人」と一笑に付す選択肢もあります。「かわいそうな人。あれでは他の人から信頼されないだろうな」と、その人のことを心配してやる選択肢もあります。

ですから、「くやしい」と心乱されることは、その出来事を不当に解釈し、そのうえ不当に感情を乱されてしまっている状態なのです。

●E:反論によって、心理的・行動的効果が表れる
上のような反論によって、「意地悪されてくやしい」という感情が和らぎます。今後も一緒に仕事する仲間なので、「今度また、お願いするね」とでも一言声をかけておこうか、という気持ちにもなります。

このように、出来事そのものが必然的にストレスという結果を引き起こしているのではないのです。
無意識の信念(思い込み)が、ストレスを引き起こすのであり、その思い込みを修正することで安心が得られるのです。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

心理カウンセリングルーム ナチュラリー. では、「来訪・訪問カウンセリング」、及び、電話・ビデオ通話・メールによる「ネットカウンセリング」と、豊富なメニューを揃えております。
遠方の方におかれましても、どんなお悩みでも、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。

●来訪・訪問カウンセリング http://mental-naturally.com/visit/
●ネットカウンセリング   http://mental-naturally.com/internet/