知っておきたい、パニック障害における予期不安と広場恐怖とは

心の病気

「パニック障害」という病気を、一度は耳にされた事があるかと思います。
パニック障害とは、突然、激しいパニック発作に襲われ、発作がまた起こるのではないかと不安になる病気です。
パニック発作は、激しい動悸や息切れ、目眩、発汗などが一気に起こり、10分以内にピークに達します。
あまりに激しい症状なので、「死んでしまうのではないか」「気が変になってしまう」という恐怖感も伴います。
症状はあまり長くは続かず、殆んどの人は30分以内、長い人でも1時間以内に治まります。

一度パニック発作を経験すると、発作の事が頭から離れなくなります。
「発作で死んでしまう」「気が変になってしまうのではないか」と、不安が大きくなっていきます。
そして同時に、「また発作が起こったらどうしよう」という不安も強くもつ様になります。
これを「予期不安」といい、パニック障害の典型的な症状です。

更に病気が進むと、不安の対象はますます広がり、発作が起こりそうな場所や状況に不安を感じる様になります。
これを「広場恐怖」といい、パニック障害の患者の7~8割の人にみられます。
もしパニック発作が起こったら、人前で恥ずかしい思いをする場所、すぐに逃げられない場所、あるいは助けを求められない場所にいる事に不安を感じます。

「広場」とは、ギリシア語の「アゴラ」(agora) が語源。
「集会所」「市場」という意味で、決して「広い場所」という意味ではありません。

広場恐怖の対象となる場所は、人によって違います。
パニック障害の人によくみられるのは、急行電車や飛行機など、すぐに逃げる事が出来ない場所に不安を感じます。
その他、家で一人で過ごす事が不安になったり、心臓がドキドキする様な運動をしたり、心が動かされる映画を見るのを避けるのも、隠れた広場恐怖です。

広場恐怖や回避行動がみられる様になると、日常生活で「出来ないこと」が多くなっていきます。
そんな自分を情けなく思いますが、発作が恐ろしく、家に引きこもっているしかありません。

この様な不安な生活が続くと、次第に精神的なエネルギーが低下し、「何もやりたくない」状態へと陥っていきます。
これは鬱病とは違います。
但し、人によっては鬱病を併発する事もあります。
鬱状態を併発したパニック障害は、治療が長くかかるので、出来るだけ早く発見し、適切な治療を受ける事が大切です。

働き盛りの年代は、パニック障害がおこりやすい年代でもあります。
様々なストレスや悩みを抱えているからこそ、誰もが心の病に注意したい時期です。

次回は、パニック障害の治療法について説明していきます。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史