社交不安症について/4.この心で乗り切ろう【④見方を変えれば世界が変わる ~認知療法と論理療法~】

心の病気

ここでは、認知療法論理療法という二つの体系づけられた治療法を紹介します。

いずれも、私たちを不安にするのは、状況そのものではなく、状況をどのように認知するかに依存するのだという基本的な考え方に立っています。

ですから、物事の見方や考え方を変えることが治療の内容になります。

社交不安障害の治療でも薬と併用される技法なので、少し理論的な内容を含めつつ、読者が自分で使えるようにわかりやすく紹介します。

なお、認知療法と論理療法として別々に述べますが、実際に適用する場合には、両者の長所を適宜取り入れる形で行って結構です。

【認知療法とは】

認知療法は、アメリカの精神科医アーロン・ベックが、うつ病の治療法として体系化したものです。
その後、うつ病の人ばかりでなく、不安の高い人、劣等感の強い人などに適用して有効性が確かめられています。

こうした人に共通する特徴は、気づかないうちに自動的に否定的な見方や考え方をしてしまうことです。
この療法は、その人の自動的否定的思考に気づき、それから脱却させることで治療するものです。

自動的否定的思考は、主に以下のようなことから生じます。

・選択的抽出:物事の否定的な面だけに目を向けてしまう。
・独断的推論:根拠のない思い込みで判断してしまう。
・過度の一般化:ごく限られた体験を不当に一般化してしまう。
・過大視と過小視:否定的なことは過大に評価し、肯定的なことは過小に評価してしまう。
・自己関連づけ:自分に関係ないことでも、自分と関係すると思ってしまう。
・二分的な思考:物事を白か黒かに分けてしまい、中間がない。

こうした傾向を修正するために、どのような状況でどのような否定的感情が生じたかをメモにとります。
そして、それが、どのような否定的思考に由来するものかを明らかにして、そうした状況での肯定的思考(適切な思考)を対置します。

これを繰り返し、繰り返し行うことで、肯定的思考の習得を目指すのです。

【論理療法とは】

論理療法は、アメリカの臨床心理学者であるアルバート・エリスという人が提唱したものです。

出来事そのものがストレスや不快な感情を引き起こすのではなく、出来事に関する非合理的な思い込み(信念体系)がストレスを生み出すという考えに基づいています。

したがって、その治療法は、非合理的な思い込みを合理的な思考に変えることが中心になります。

論理療法では、ABCDEという五つの要素を取り上げます。

A:出来事や逆境
まず、感情を害することになった出来事、事実をあげます。
B:信念体系
それに関して暗黙のうちに持っている信念(思い込み)を明らかにします。
C:結果
それによって引き起こされた気持ちや行動を明らかにします。
D:反論
思い込みの誤りを明らかにして、建設的な思考に置き換えます。
E:効果
その結果、感情や行動が変わります。

むろん、出来事によっては、必然的に不快な感情を引き起こすものがあります。
親族や親しい人の病気や死など、心配や悲しみの感情が湧くのは当たり前のことですし、失恋したり、試験に落ちれば、悲しみ、落胆するのは当たり前のことです。

こうした感情は健全なものであり、そのままに受け入れることです。

問題は、こうした事態でも感情や行動を自滅的なものにしないようにすることです。
自滅的な感情や行動を導くのは不適切な思い込みなのです。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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