社交不安では、心と身体と行動に変調が生じることがわかりました。
ですから、社交不安を乗り越えるには、心、身体、行動のそれぞれに対処することが必要です。
本章では、まず、心の機能で対処する方法を取り上げます。
①「逃げずにぶつかる」が原則
【逃げたいと思っていると、つらさが増すだけ】
脅威的な場面から逃げようとしないことが、社交不安に対処するもっとも原則的な姿勢です。
逃げたいと思っていると、つらさが増すだけです。
逃げたいと思うことは、気持ちで負けてしまっていることです。
弱気になっていることです。
弱気とは、自分に力がないと認めることです。
ですから、自信がなくなり、ますます不安がつのります。
また、逃げていると、慣れる機会が失われてしまいます。
そのために抵抗力がつきません。
対処能力も磨かれません。
その結果、外界は怖いままにとどまってしまいます。
したがって、逃げるのではなく、ぶつかっていくことです。
誰でも、多かれ少なかれ社交不安を感じています。
この不安に対処することで、自分を作っていくのです。
ですから、つらい場面を自分の成長の機会ととらえて、むしろ積極的に立ち向かっていくことです。
外界とは本来魅力に満ちた世界です。
思い切って入っていけば、心が刺激され、躍動し、軽やかになるものです。
一人自閉的にしていると、気持ちは落ち込むばかりです。
とりわけ、若いうちは、つらい場面こそ自分を成長させる場面だとして、歓迎する姿勢を持つことです。
逃げていては成長できないし、いつまでも恐れることになります。
「つらい場面は成長の機会」
「たとえ心が傷ついても、命に別状はない」
そう覚悟を決めて、人の中に飛び込んでいきましょう。
【社交不安のつらさを乗り越える方法を知ろう】
とはいえ、やっぱりつらい。
このつらさに耐え、乗り越える方法があればよい。
そんな気持ちだと思います。
次回より、そのために役に立つ心理的技法を紹介します。
これらは、社交不安の軽減に役立つだけではなく、その他のストレスや人生上のいろいろな問題への対処に役立ちます。
また、よりよい人生を築くためにも役立つ技法です。
全部を習得する必要はありません。
読んで、試してみて、自分に合ったものだけを習得すればよいのです。
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ナチュラリー. 鍛治 剛史
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