広汎性発達障害(ASD)について【自分のこだわりが強く、コミュニケーションをとりにくい】

心の病気

【どんな病気?】
独特の3つの行動特性

広汎性発達障害は、特に社会性にかかわる領域に障害をもつ発達障害のグループで、おもに次の3つの特徴があります。

①コミュニケーションの障害(言葉の使用の誤り、会話をつなぐことができないなど)
②対人関係・社会性の困難さ(相手の気持ちを察することができない、その場に合った行動が取れない)
③行動と興味の偏り(強いこだわりや同じ行動の繰り返しなど)

広汎性発達障害のグループのなかには、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害などがあります。

自閉症とアスペルガー症候群

広汎性発達障害のなかでよく知られているのが、自閉症とアスペルガー症候群です。

自閉症の多くが知的障害を伴っているのに対して、アスペルガー症候群は言語の遅れがない「知的障害を伴わない自閉症」または「高機能自閉症」といわれています。
ちなみに言語の遅れがあるものを自閉症といいますが、成長につれ言語が身についてくることから、近年は両者を区別して扱うことが少なくなりました。

自閉症の発症率は、かつては1万人に4,5人といわれましたが、近年は診断基準が整備されたこともあり、割合が増えたといわれています。
アスペルガー症候群も4000人に1人と珍しいものではありません。
また、自閉症は男子のほうが圧倒的に多いといわれています。

両者とも先天性なので、対人関係の困難さやこだわりの強さといった障害特有の行動特性は、幼い頃から見られます。
しかし、生活に支障をきたすようになるのは、集団生活や学習が本格的に始まる小学校への入学以降です。
障害特有の行動で友人関係がうまくつくれずに孤立したり、自分勝手な(と周囲には見られてしまう)行動でひんしゅくを買うこともあり、それがいじめの対象や不登校などの二次障害につながることも少なくありません。

障害が解消されることはありませんが、療育による緩和が期待されます。
早めの対処が大切です。

【精神症状】

●他人に関心がない ●相手の気持ちを察することができない ●集団のなかにいると不安になったり不快になったりする ●1人でいると安心する ●かんしゃくを起こしやすい ●特定のものへのこだわりが強い

【身体症状】

●人と目を合わせない ●抱っこされるのを嫌がる ●言葉を発するのが遅い ●音や光に敏感 ●手をひらひらさせ続けるなど、独特の行動をする ●運動が苦手

【病因】

<遺伝・体質的な背景>
広汎性発達障害になりやすい何らかの先天的遺伝子と、さまざまな環境要因が複雑に関係しあって発症するという説が主流となっている。

<心理・社会的な要因>
かつて言われていた、親のしつけや育て方の問題、愛情不足などの心因論は、医学的に完全に否定されている。

<脳・神経機能の関与>
脳機能の障害や偏りにより、認知の方法などに違いが現れ、特有の症状を引き起こすと考えられている。

【治療法】

療育によって、障害による困難さを緩和(あるいは解消)することが中心となる。

<薬物療法>
基本的に薬物は使用しない。
ただし、多動(絶えず動き回っている状態)やうつ、睡眠障害などの症状がある場合は、必要に応じて使用する。

<精神療法>
教育とトレーニングによって、障害による困難さを緩和して、生きやすい環境をつくる。

【経過】

療育によって困難なことへの対処法を習得したり、学校や家庭などの環境調整を行ったりすることで、徐々に困難さが緩和されていく。

【受診の目安】
幼児検診などでも相談を

自閉症などの特有の症状が現れるのは3歳くらいからですが、それ以前でも兆候が現れます。
気になった場合は乳幼児健診などの折に相談してみましょう。
成長するにつれて障害特有の症状が現れたら、専門の医療機関や子育て支援センターなどで相談することをお勧めします。

【本人や周囲が気をつけること】
子どもの特性をしっかり知ること

特に自閉症やアスペルガー症候群の場合、症状の現れ方は子どもによって千差万別なので、自分の子どもがどんなことに困難を感じているのかなど、その特性をしっかり知ることがサポートの第一歩になります。

全体に抽象的な表現が苦手なので、伝えるときは「具体的に」を心がけます。
また、音に敏感なので、大声で怒ったりすることも避けましょう。
学校も含めて子どもが安心して生活できる環境を整えることも大事です。
教師や学校との連携も必要となります。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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