強迫性障害について【不安が繰り返し心に浮かび、日常生活に支障をきたす】

心の病気

【どんな病気?】
ささいなことが不安になり、それを打ち消すための行為を繰り返す

ある不安(強迫観念)に駆られ、それを打ち消すために決まった行為(強迫行為)を繰り返さずにはいられない心の病気です。
強迫観念となる不安には、次のようなものがあります。

●戸締りやガスの元栓を閉めたかなどが不安になり、何度も確認する。
●仕事でミスをするのではないかと何度も確認せずにはいられない。
●不潔恐怖があり、手や身体を洗い続ける。
●常に整理整頓していないと落ち着かない。
●自分の決めた手順で物事を行わないと気がすまない。
●人に危害を加えてしまうのではないかと不安になる。駅のホームで人を突き落としてしまうのではと感じるなど。
●物の数や回数を数えないと気がすまない。

患者自身が、これらの強迫観念や強迫行為を無意味なものと認識していながらやめられないでいることが、この障害の特徴です。
そして、強迫行為を繰り返すために日常生活に支障が出るようになります。
また、家族にも戸締りを確認させたり、整理整頓を強要したりするなど、自分の強迫行為に周囲を巻き込み、疲れさせることもあります。

【精神症状】

●ある考えが頭から離れず、それを振り払うことができない ●不安にかき立てられ、ある行為をやめることができない

【身体症状】

特になし。

【病因】

はっきりとした原因はわかっていない。
<遺伝・体質的な背景>
多少は遺伝も関係しているのではないかと考えられる。
特に未成年のうちに発症した場合は、遺伝の影響も大きいのではと見られることがある。

<心理・社会的な要因>
仕事や学校、家庭でのストレス、自分の健康に関するストレス、結婚・妊娠・出産からのストレスなどがきっかけとなって発症することもある。
幼少期の虐待なども原因となることがある。

<脳・神経機能の関与>
セロトニンという神経伝達物質(脳内の神経細胞間の情報を伝達するもの)の調節異常からくるものもあると考えられる。

【治療法】

まずは薬で不安をやわらげ、次に認知行動療法などの精神療法が実施される。

<薬物療法>
抗不安薬、抗うつ薬など

<精神療法>
認知行動療法(曝露反応妨害法など)など

【経過】

病気と気づかず見逃しているうちに症状が悪化する場合がある。
治療の開始時期によっても回復の期間は異なってくる。
治療は、完全に治ることではなく、寛解(日常生活に支障をきたさない程度にまで改善した状態)を目指すことが多い。

【受診の目安】
自分だけで治そうとするのは難しい

本人も強迫観念や強迫行為は意味のないことだと思っているため、周りに症状を悟られまいと一人で悩み続けることがあります。
仮に、意志の力で強迫行為を抑え込むことができたとしても、不安感情は逆に大きくなりますから、自分だけで回復を目指すのはかなり困難です。
症状に気づいたら、すみやかに受診するようにしましょう。

【本人や周囲が気をつけること】
家族のサポートが期待される

強迫性障害の患者の多くにうつ病の症状が出ることがあります。
同居する家族がいる場合はサポートが望まれます。
一緒に精神科を訪れるなどして、病気や治療方法についての理解を深めましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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