社交不安症について/1.何を恐れているのか【③能力が評価される不安】

心の病気

社交不安を感じる場面とは、殴られたり、刃物で傷つけられたりするわけではありません。
それなのに、不安になったり、恐れてしまうのは、いったい何を恐れているのでしょうか?

③能力が評価される不安

【社交不安の多くは、能力評価についての不安】

能力が評価される不安とは、能力がないと思われるのではないかとか、能力がないことが暴露されてしまうのではないかという不安のことです。

社交不安の多くは、この能力評価についての不安といえます
他の社交不安にしても、能力評価への不安が多少なりとも含まれています。

この不安は、人から高く評価されたい、賞賛されたいという欲求があるのですが、その自信が持てないために生じるものです。
根底には、人から低く評価されることで自我が傷つくことへの恐れがあります

能力評価への不安の典型は、口頭試問や就職試験での面接、業績査定の面接などの場面です。
また、人前でスピーチやプレゼンテーションをする、演奏や演技、演舞などをする場合の不安です。

【評価される場面ではないのに、評価されると思ってしまう】

社交不安の高い人は、評価される場面でなくとも、能力評価場面と受け止めてしまいます

たとえば、会議は考えを出し合ってよい結論を得るのが目的なのに、もっぱら自分の能力が問われる場だと受け止めてしまいます。
そのために気軽に発言できません。

発言してもしなくてもあれこれと考えて、後々までマイナスの気分を引きずってしまいがちです。
単なる雑談や飲み会、カラオケまでも、能力評価の場面ととらえてしまい、素直に楽しめません。

とりわけ、上位の人や優れている人と同席するときは、自分が劣っていることが知られてしまうのではないかと不安になり、何か気の利いたことを言わなければ、と身構えます。

社交不安気味の若い人は、同性の同年齢の人といるときが一番圧迫感を感じます
同性の同年齢だと、どうしても比べてしまうからです。
年齢が異なれば、あるいは、異性であれば、比べられることが少ないので安心できます。

男友達の中にいると劣等感や圧迫感を感じるので、もっぱら女子と接しようとする男子がいます。
そうした男子は、健全な男性性が育っていないので、女性に甘えるか、逆に自分の優位を誇示するなど、不自然な関係になることが多いものです。

【さまざまな行動の裏に「評価への恐れ」が隠されている】

実際には自分の能力が評価されることを恐れているために生じる行動を、本人が明確に意識していないことがあります

たとえば、ある人は、初対面の人と接することは平気で、むしろ気軽に自分のほうから話しかけます。
ところが、知り合いには気軽に話せず、距離を置いて接しようとします。
こうした行動の背後には、ある程度自分を知られると、つまらない人だということがわかってしまうのではないかという恐れがあります。

また、レポートや作品の提出が遅れる人や、仕事をずるずると延ばしてしまう人にも、評価を恐れる心理が働いていることがあります。
さらに、手紙が書けないとか、メールをすぐに送れないなどという場合もそうです。

飲み会に出席するのが苦痛とか、電車で知人と一緒になることを恐れるのも、本人は社交嫌いと思っているのですが、実際には評価を恐れていることが多いのです。

このように、社交不安の高い人は評価されることに敏感なので、他の人に対しても能力評価的に見る傾向があります。
そして、他の人も自分と同じように評価的に見ているのだろうと思い込んでいます。

また、自分がいつまでも自分の失敗や恥ずかしいことを覚えているので、他の人もそれを覚えているものと思い込んでいます。
そのために、その相手と一緒だと苦痛になってしまいます。

しかし、人はそれぞれ自分のことで忙しく、他の人のことなど気にしませんし、覚えていません。
たとえ覚えていたとしても、さほどの重みはありません。

奈良 心理カウンセリングルーム
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