話を聴こうと思っても、どのように対応すればよいのか困ったことはありませんか?
対応が難しい事例を取り上げて、アプローチの方法を紹介します。
【認知症高齢者への対応】
急速に高齢化が進んでいる日本では、認知症高齢者の数はうなぎ登りで増え、認知症高齢者への対応は対岸の火事ではなくなっています。
<心の動き>
認知症を患ったばかりの人は、以前より物事をうまくやることができなくなったことを理解しています。
しかし、「年だから仕方がない」と思っていたり、弱みを家族に見せたくないと思っていたりして、自分から言い出すことはあまりありません。
それでも、心のどこかで助けてほしいと感じていて、さりげない心づかいを望んでいます。
助けてほしいのに言い出せないという葛藤をしているうちに、失敗が増え、家族からそれを叱責されることが多くなると、不安が強くなり、精神的に不安定になります。
すると、落ち着きがなくなり、すぐに怒りだすなどの変化がみられるようになります。
<アプローチの方法>
認知症になると、思考力だけでなく動作も鈍くなり、何をするにも時間がかかるようになります。
また少し前の出来事も忘れてしまうため、同じことを繰り返し尋ねることもよくあります。
介護で疲れていると、そんな相手にイライラして口調もきつくなりがちですが、強い言葉や高圧的な態度は、相手の不安を増幅してしまいます。
認知症が進行して、物事の事実関係を覚えていられない状態になっても、そのときに抱いた感情は残ります。
そのため失敗した事実は忘れても、叱られたことによって受けたイヤな感情だけは残るのです。
認知症の人は、記憶が徐々に失われていくことや少し前のことも思い出せないことへの不安や怒りなどから、大声で叫んだり攻撃的になることもよくあります。
そんなときも焦らず、相手の話をよく聴き、その怒りや悲しみに寄り添うようにしましょう。
どうしても治まらないときは、落ち着ける環境に移動したり、別の人に対応してもらうことで、症状が治まることもあります。
徘徊も認知症の行動・心理症状の一つです。
本人は目的があって出かけるのですが、歩いている途中で目的を忘れてしまったり、場所がわからなくなって、道ばたに座り込んでいたり、遠くで保護されたりすることもあります。
徘徊が続くと、本人の安全を考えて部屋に鍵をかけたくなりますが、本人は徘徊したことを覚えていないため、閉じ込められたことに屈辱を覚えます。
すると、症状が悪化することもあり、注意が必要です。
外に出かけようとしたら、「送りましょう」と声をかけて一緒に歩き、しばらくしてから「そろそろ帰りましょう」と誘導してみます。
どんなときも「叱らない」「否定しない」が基本です。
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史
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