話を聴こうと思っても、どのように対応すればよいのか困ったことはありませんか?
対応が難しい事例を取り上げて、アプローチの方法を紹介します。
【無気力な学生への対応】
ここでは、一般的な無気力ではなく、学業など一部のことに対する意欲減退が続くスチューデント・アパシーを取り上げます。
<心の動き>
スチューデント・アパシー(学生無気力症)は、学業や就職活動などに対する無気力・無関心・無感動が続き、生きがいや目標を見いだすことができない状態に陥ることをいいます。
一見すると、燃え尽き症候群やうつ病に似ていますが、学業以外のサークル活動やアルバイトなどには熱心なことも多く、いわゆるひきこもりがみられない点が異なります。
また不安や焦燥、抑うつ、自責の念なども認められません。
スチューデント・アパシーは、自分がどういう存在かがわからないという自己不確実感があり、ストレス耐性が低い学生に多くみられます。
まじめで几帳面な完全主義者に多く、ちょっとした挫折をきっかけに、すべてをあきらめ無気力状態に陥ってしまいます。
予期される敗北と屈辱から受けるダメージが大きなものに感じられ、その危険に対峙することができなくなり、将来の現実的な目標を失ってしまいます。
厳しい現実に立ち向かう勇気がもてず、学業に対する無気力が顕著になっていくのです。
自分がやりたいことと実際にやっていること、自分が期待しているものと現実のギャップが大きいことが原因と考えられています。
<アプローチの方法>
無気力な学生を前にすると、自分の対応の仕方が甘いからいけないのではないかと考えがちです。
しかし無気力な学生に厳しく接し、力ずくでやる気を出させようとしても、心の溝を深くしてしまうだけです。
スチューデント・アパシーがみられる学生は、何者かに守られていないと精神的に安定することができない母性依存や成熟拒否傾向がみられ、強制的に何かをさせようとすると、追いつめられて感情を爆発させることもあります。
そのため、やる気を引き出そうとして、まわりの人間があれやこれやとお膳立てをすると、ますます状態は悪化して、悪循環にはまり込んでしまうのです。
気力を取り戻すには、本人が自分のやりたいことを知り、自分の置かれている状態を知って、そのギャップを埋めることが重要なのですが、それを知る気力さえ失われていることもよくあります。
本人からの訴えがあまりなく、周囲の人間はただ怠けているだけだと考えがちですが、できるだけ初期の段階で気づき、悪循環に陥る前に専門家に相談することが大切です。
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史
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