話を聴こうと思っても、どのように対応すればよいのか困ったことはありませんか?
対応が難しい事例を取り上げて、アプローチの方法を紹介します。
【いつも誰かの意見を求める人への対応】
他人の意見に頼り自分の意見をもたない人は、ときにはわざと失敗して、手助けしてもらおうとすることもあります。
<心の動き>
何かにつけて「どうすればいいですか?」と他人に意見を求める人や、「〇〇したんですが、大丈夫でしょうか?」と確認したがる人がいます。
このタイプの人は自己主張をしないので、出しゃばらず従順な印象を受けますが、うまくいかないとアドバイスした人に責任をなすりつけようとします。
それは、自分で責任を引き受けることに恐れを感じていて、責任をとらなければならない状況から逃れようとしているからです。
こういった心理は、親から必要以上の干渉を受けて育てられた人に多く見られます。
過干渉な親は寂しさや依存心から、子どもを自分に依存するように仕向けます。
自立するように口では言っていても、内心では子どもの自立を恐れているため、子どもにつきまとってなにくれとなく面倒をみます。
こうして育てられた子どもは、他者からの愛情や支持を得られなくなることへの不安が強くなり、誰かの助けがないと何もできなくなって、他者の意見に従おうとするのです。
そのため困難に直面したときに、どう対処すれば切り抜けられるかと考えるのではなく、誰かに助けてもらうためにはどうすればいいかと考える、依存的な思考パターンをもつようになります。
<アプローチの方法>
依存的な思考パターンのある人から相談を受けたときは、解決策は示さず、できるだけ一緒に考えるようにします。
自分で考えることがどうしても難しいときは、いくつかの選択肢を提案して最終決定は本人にしてもらうようにしましょう。
また、適切な距離をおいて話し手を受容し、自立することに対する支持的なはげましを続けて、少しずつ依存状態から抜け出すことができるようにしていきます。
ただ急かしすぎると、話し手は見捨てられるような不安を感じてしまうため、十分に注意します。
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史